眼科医による講義~視覚機能を理解して子どものつまづきを解決しよう~
21.05.07
みなさん、こんにちは。
今回は、特別支援教育コースの1年次の専門科目「視覚障害者の心理・生理・病理」の授業を紹介します。
この授業は、聖徳大学の太田裕子先生と、かわばた眼科の院長の川端先生が担当しています。川端先生は、千葉県浦安市で活動されていることから、本学のゼミなどを通じてずっと連携させていただいていましたが、念願が叶い、今年度から本学のこの授業の講師としてご指導いただくことになりました。川端先生は、「ものを見る機能」だけでなく、「ものを認識する機能」や、「見たものを読んだり、書いたり、手足を動かしたりする機能」にも着目して、治療やトレーニングを行っている、全国でも数少ない眼科医です。
視覚に障害がなくても、発達に障害がある子どもは、これらの機能が十分に働いていない場合があり、このことが学習に大きな影響を及ぼします。そうした障害分野にとらわれない柔軟な見方、考え方のできる人材の育成が求められています。聖徳大学の特別支援教育コースでは、こうしたこれからの時代の特別支援教育を見据えた専門家から講義を聴く機会を設けています。
最初の2回は、眼球の構造や眼疾患がテーマでした。
学生は一人ひとりに配布された立体模型を触りつつ、説明と照らしながら、眼の構造を理解しました。
そして3回目は、「ものを認識する機能」や、「見たものを読んだり、書いたり、手足を動かしたりする機能」について学びました。
興味深かったのは、視力を失った子でも、小さい頃から点字の習得のためのトレーニングを重ねていると、視覚からの情報が入らないはずなのに、脳の視覚野を活用できるようになるということが、最近の脳科学で実証されたというお話でした。視覚野は大変複雑で膨大な情報を処理することができる部位です。全盲児でも視覚野を活用できるようになると、障害のない子どもが文字を読むスピードと同じスピードで、点字が読めるようになるということでした。
視覚野は後頭部にあります。目が見えなくてもこの部分が活性化して、点字を読み解くのですから、不思議ですよね。
さらに乳幼児期に、どのように「ものを認識する機能」が発達するのか、そのプロセスについても学びました。
これはその一例ですが、何歳何ヶ月頃で、どのような図形が書けるようになるのかを示したものです。
殴り書きの後、最初に書けるようになる図形は、「縦線」(2歳0ヶ月)だそうです。
縦線は、重力に従って書けるため、横線よりも書きやすいそうです。面白いですね。
こちらは、上段の図形の全体の構造を認識できず、部分部分で認識している場合には、下段の図のように模写を上手くできないという事例です。
部分部分で形を認識している場合には、漢字などの読み書きが困難になることが想像できます。
文字の読み書きが苦手な子どもがいた場合、どのようにものを認識しているのかをまずよく確認して、それに合った指導をすることが重要であると分かります。
盛りだくさんの内容ですが、興味のそそられる分かりやすい講義で、時間の経過があっという間でした。
視覚障害児に限らず、見ることに困難のある子どもは、あらゆる学校現場に数多くいます。
聖徳大学教育学部教育学科でこうした専門知識を十分に身に付け、子どものつまづきを解決できる教員になりましょう。
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(児童学部)