心の働きを知る(その4)「認知心理学」〜頭の中の働き
25.10.02

みなさん、こんにちは!
今回は児童学科心理学プログラムの一つである「心理学概論」の授業内容の紹介(その4)です。
「心理学概論」は、1年次の基盤科目。心理学に興味がある人もない人も、一緒に学ぶ授業です。でも、「心理学をもっと学んでみたい!」と思ってくれる人が増えることを願って、教員は、授業でどんな面白いテーマを紹介しようかな?と楽しみながら考えています。
さて、今回はその中の「認知心理学」の領域を覗いてみます。「認知心理学」は、私たちが何かを覚えたり思い出したり、あるいは考えたりする心のしくみ、つまり、日常生活や知的な生活など脳が関係する広い領域(頭の中の働き)を扱っています。

今回は、「注意」ということを紹介します。たとえば、がやがやしたイベントの会場でも友達の話していることはよく聞き取れますよね。これは注意が働いているからです。また、ひとり藪の中を歩いているとき、ガザガザという音がしたら、何だろうと全神経を音の方に向けますね。注意とは、今、最も大事なことに集中し、無関係なものを無視する心の働きのことです。注意は、人が自然の中で生きていくために必要だということがわかります。

これは、児童学科2年生以降で学ぶリサーチメソッドプログラムの心理学基礎実験での一コマ。赤色で「あお」と書かれていて、文字の「色」を言いなさいと指示されると、うっかり「あお」と言ってしまう自分を止めようとします。ここでも注意の働きがみられます。
さてここで質問です。音楽を聴きながら勉強している人は本当に集中しているのでしょうか?

そう、答えは、NOです。人間の注意の力は限りがあるので、「ながら勉強」は集中力が落ちてしまいます。歌詞がある曲や好きな曲は集中力を弱めます。でも音によっては集中を高めるものもあることがわかっています。たとえば、雨の音などの自然音やザーという人工的に作ったホワイトノイズといわれる音は集中力を高めるとも言われていますので、勉強するときは自分が集中できる状況は何かみつけることが大事ですね。

次に、「記憶」の話をしましょう。
記憶の仕方には個人差があることがわかっています。勉強するとき、図を描いた方が覚えられる人や耳から聞いた方が覚えられる人がいます。
皆さんたちは、どういう方法で覚えるのが得意ですか?

これは、児童学科東原ゼミで開発中の、小学生向け国旗学習アプリ。左は部品を組み立てて学習するもので、右は、文字片を動かし「白と赤にかこまれた青いさんかくチェコっとね」と文を作って唱えて学習するものです。どちらが学習しやすいか、子どもによって違うということを研究中です。
心理学を学んで、人の頭の中の働きについて知ると、自分に合う勉強のしかたもわかるかもしれません。心理学を学んで、あなた自身の学習にも役に立ててみませんか?
(児童学科 教授 相良順子・東原文子)
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