教育学部・児童学科 │ 聖徳大学

世界の児童文学① スウェーデン語で書かれた「桃太郎」 ちりめん本の研究

25.04.11

みなさん、こんにちは!

児童学の研究分野である「児童文学」から、「ちりめん本」研究についてご紹介します。

ちりめん本は、ちりめん加工した和紙でつくられた和綴じ本の総称です。特に明治期に長谷川武次郎が作成した欧文日本昔話シリーズは、英語・フランス語・ドイツ語のほか、スウェーデン語やイタリア語など多くの言語で出版されました。万博で紹介され国際的に高い評価も得ています。

けれども、販売経緯や各国語版の影響関係、実際にどれほど普及したかなど、まだまだわからないことばかり。今回は、スウェーデン語ちりめん本の所蔵調査でストックホルムに行ったときのようすを紹介します。

スウェーデンの公共図書館蔵書検索サイトによると、ストックホルムの3か所の公共図書館にちりめん本が所蔵されていることがわかりました。

 

スウェーデン王立図書館には『MOMOTARO』(桃太郎)が所蔵されています。特別閲覧室で見せていただいたとき、「きれいな本ですね」と司書の方が言って下さったのが誇らしかったです。

 

ストックホルム市立文書館には『Sparfven med den klippta Tungan(舌切雀)』が所蔵されていました。

 

スウェーデン児童図書研究所(Sbi)には『MOMOTARO』『Gubben und Trollen(こぶとり)』の2冊が所蔵されていました。

 

 研究所は国立施設で、児童図書の収集と研究がおこなわれています。

 この日は、「禁書フェア」の展示を見ることができました。『赤毛のアン』や『星の王子さま』は有害な図書と指定されたことがあるそうです。その判断は果たして正しかったのか、読者が考えるためのイベントです。

さて今回確認できた4冊は、綴じ糸や綴じ方が日本にあるちりめん本と同じことから、同じ印刷製本によるものだろうと推測できます。またスウェーデンでちりめん本が一定数流通していたことがわかりました。実物を見たことで、ちりめん本がスウェーデンで実際に手に取られていたことを実感することができました。

児童文学を介した文化交流の歴史は、「児童文学」の授業で学ぶことができます。

 

もっと、ちりめん本について知りたい方は、こちらもご覧ください。

「ちりめん本 英語版とスウェーデン語版の比較」https://cir.nii.ac.jp/crid/1050569457925279232

「イタリア語版ちりめん本について」 https://shirayuri-u.repo.nii.ac.jp/records/2000891

『ちりめん本 海を渡った日本の昔話』尾崎るみ監修、東京美術、2025

                               (児童学科 准教授 松村裕子)

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