短期大学部・総合文化学科 │ 聖徳大学

【コラム】おととはおさかなかな

24.12.25

今年のバレンタインの日のコラムで、E.C.エッシャーの版画 Square Limit をプログラムで模写した(3月に卒業した学生の作品)もの紹介しました。以下の絵です。

これに、色を付けてみたのが以下の絵です。

色を付けるだけなので、簡単にできそうです。しかし、線だけでやっているときには、基本の魚は、表と裏の2つですむのですが、色を付けると、たった3色なのですが、色の組み合わせパターンがいくつもあるので、ちょっと複雑になります。

複雑なもののパターンを探るために、さかなのパターンを直角2等辺三角形と小さな円盤(さかなの頭の部分を表す)に「抽象」します。そうすると、どのようなパターンがありうるかが見えてきます。1色につき、表裏の2パターンありますので、全部で6パターンになります。さらに正方形の部分での組み合わせパターンも考えなければなりません。

最終図をみても判りにくかったパターンの区別も、抽象的な図の方では判りやすくなっていますね。

でも、抽象的なものは、簡略しているので、そのときに、切り落されてしまったものがあるということを忘れてはいけません。実際、魚の図形に戻すとき、下の図の濃く塗った三角の部分を魚の1色につき、2色分必要になります。

プログラムを書くとき、具体的なものを抽象的なものに変換して考えてから、具体的なものを把握しなおすということを繰り返します。そこがプログラミングの面白さですね。

ものごとを考えて理解しようとするときも同様で、「具象」と「抽象」を行き来することが大事で、そこが考えることの面白さです。

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