【 授業紹介】「糸のより、紡績」ファション造形デザインコース
22.08.04
衣服は、原料の繊維から糸を作り、糸から織物やニットの布が作り、さらにそれらを縫製し、作られます。そこで、今回は糸に焦点をあてて、座学や実験の授業を紹介します。
日本では風合いや着心地から天然繊維が好まれていますが、綿繊維はわたの種子にはえる種子毛で、その繊維長は2~3cmです。羊毛繊維は羊の毛で、5~30cm程度です。これらの短い繊維から細くて、強さのある長い糸にするのでしょうか。
短い繊維は、紡績工程を経ることにより混入している短い繊維を除去し、繊維を平行に揃え、繊維束(スライバー)にします。繊維束を数本引き揃え、延伸することにより太さむらのない、細い繊維束にし、最後によりをかけて日常目にする細い紡績糸(写真1)にします。
生活材料学の講義では原料繊維の性質、糸の構造や性能を学び、衣服材料や品質への理解を深めます。繊維学実験では座学で学んだことを、実験装置を用いて実際に作ったり、測定したりして理解を深めるようにしています。今回の授業紹介では、糸車(写真2)や紡錘車を用いて手工芸的に糸を紡ぐことを経験し、よりの原理や紡績糸を理解します。また、検撚器(写真3)を用いて綿糸や毛糸のより数を測定します。そのほか、繊維製品の製造工程の動画を見て専門知識を深められるようカリキュラムを設定しています。
アパレル企業では企画デザインや品質管理などにおいて表地や付属などの材料の知識が求められます。そこで、ファッション・造形デザインコースでは衣服の企画・デザインから型紙・縫製までの制作実習やアパレル業の業務知識を中心に学びますが、今回紹介したような理系の専門科目もあり、将来さまざまなセクションで力を発揮できるよう幅広く学びます。
数十本の綿繊維が引き揃えられて、よりがかけられ糸ができていること、また、細い繊維は糸表面から飛び出し、毛羽やふくらみを作っていることが確認できます。
羊毛繊維の太い繊維束(トップ)から糸車を用いて手工芸的に糸を紡ます。手紡ぎによって紡績工程の加ねんや巻き取りの原理がわかるとともに、紡績糸のよりや紡績を理解できます。
検撚器を用いて糸のよりをほどくことにより単糸・双糸・三子糸などの糸の構成やより数を確認できます。
よりの不均一が原因で布の外観(見え方)や風合いが変わり、品質不良となることがあります。
家庭用編機で糸車で手紡ぎした糸を編成し、糸の太さや色に手作り感があふれた編地を編成し、糸から編地までを一貫して学びます。
以上、糸に関する座学と3回分の実験内容を紹介させていただきました。学生からは「実験は大変おもしろい」という声がでています。
総合文化学科には全部で4つのコースがあります。また、学費の各種の優待制度もあります。ぜひ、親子でオープンキャンパスに参加していろいろな疑問点を解決してください。
ファッション・造形デザインコース 教員
*チバテレの情報番組 「モーニングこんぱす」内で、総合文化学科が紹介されました。 ”楽しい学生生活”の様子がよくわかります! YouTubeの聖徳大学チャンネルをぜひご覧ください♪
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