【授業紹介】製菓実習基礎Ⅰ・Ⅱ「ウィーン菓子」
25.07.24
ブログをご覧のみなさまこんにちは。
今回は製菓実習基礎Ⅰ・Ⅱの授業の中から、オーストリアのウィーンのお菓子「カーディナル・シュニッテン」をご紹介します。
フードマネジメントコース2年生のこちらの授業では毎年3~5品ほどウィーン菓子の実習を行いますが、みなさんはウィーン菓子と聞いてなにが思い浮かぶでしょうか。
いちばん有名なものでいうとザッハ・トルテではないかと思います。ウィーンはコーヒー文化が盛んな街であるため、コーヒーに合うお菓子がたくさんあります。
今回紹介する「カーディナル・シュニッテン」がこちらです。

日本ではあまり見たことのない形をしていますが、卵白主体の生地と卵黄主体の生地を交互にしぼって焼き上げたふんわりさっくりとした生地に、ラム酒の効いたコーヒー味のクリームを挟んだケーキです。
カーディナルというのはカトリック教会における枢機卿を意味する言葉で、シュニッテンはドイツ語で「切る」という意味のシュニッテからきています。(シュニッテンは複数形)。黄色と白の生地はバチカン市国の国旗の色からきています。枢機卿が身に着ける礼服が赤いことから、生地の間には赤いジャムを挟んでいる場合もあります。
見た目はとてもボリューミーに見えますが、生地をつなげるための粉が少ない配合になっているため、空気をたくさん含んだ生地とクリームはとても軽く、言葉で表すならさっくりふわしゅわな食感です。
作っているときの様子がこちらです。

卵黄主体の生地が流れ出ていかないように、卵白(メレンゲ)主体の生地を先に壁になるように絞っていきます。絞った生地の上にさらに絞り重ねるので倒れないように慎重に絞っていきます。

さて、シュニッテンは切るという意味から来た長方形の生菓子(ケーキ)を指しますが、トルテという言葉やクーヘンという言葉に聞き覚えはありませんか?
トルテというのは丸いお菓子(生菓子)のことを指し、クーヘンというのは焼き菓子のことを指します。
ザッハトルテやバウムクーヘンなど聞き覚えのあるお菓子も、意味を調べるとまた違った面白さがありますね。
昔からある伝統的なお菓子はその土地の歴史や特産品にちなんだものも多く、授業ではお菓子の作り方だけでなく由来やバリエーション、変遷などさまざまなことを学びます。

カーディナル・シュニッテンの隣に映っているお菓子はマラコフ・トルテというお菓子です。気になる方は調べてみてくださいね!
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