北海道学外研修(前編)
24.08.29
1日目 夏の北海道へ飛び立つ
8月下旬、夏の終わりを感じさせない暑い朝、私たちは羽田空港から新千歳空港へ向かうフライトに乗り込みました。北海道への旅が始まる期待感とともに、早朝の東京を後にしました。飛行機の窓から見える青空と雲の切れ間から差し込む朝日が、これから始まる旅を明るく照らしてくれました。
新千歳空港に到着すると、まず最初の目的地である「北海道開拓の村」へ向かいました。曇空で気温も上がらず、村内を散策するのに絶好の日和です。北海道開拓の村では、明治から大正時代の北海道の開拓期の生活が再現されており、当時の建物や道具に触れることで、厳しい自然環境に立ち向かいながら生きた人々の暮らしをリアルに感じることができ、北海道の美味しいおかずが詰まったお弁当もいただきました。
午後には、札幌市郊外の「羊ヶ丘公園」を訪れました。ここでは、広大な牧草地が広がり、羊たちがのんびりと草を食む風景が見られました。クラーク博士像の前で記念写真を撮りながら、北海道の大地を眺めるひとときは、この土地の歴史や未来に思いを馳せる特別な時間となりました。
夕方、札幌市内に戻り、グループに分かれて夕食を楽しみました。札幌の夏の味覚を堪能するため、各グループが選んだレストランで地元の名物料理を味わいました。新鮮な海鮮丼や、札幌ラーメン、スープカレーなど、北海道ならではの料理を楽しみ、会話も弾みました。こうして、初日の締めくくりにふさわしい、楽しい夜を過ごしました。
2日目: 美瑛の自然美を堪能
2日目は、朝から美瑛エリアへと向かいました。車窓から見える景色は、夏の緑が一面に広がり、丘陵地帯のなだらかな風景が心を和ませてくれます。最初に訪れたのは富良野にある「ファーム富田」。ここでは、夏の名残を感じさせる花々が咲き誇り、その美しさに圧倒されました。ラベンダーの最盛期は過ぎていましたが、まだ残っている花々が淡い紫色を見せてくれ、甘い香りが漂っていました。
続いて訪れた「青い池」では、コバルトブルーの水面が印象的でした。曇空で柔らかな光が水面に反射し、その神秘的な美しさに感動しました。池の周りを散策しながら、独特な景観を楽しみました。
その後、「北西の丘展望公園」へ移動しました。ここから見える美瑛のパッチワークのような田園風景は、夏の終わりの陽光に照らされ、一段と美しく輝いていました。遠くに見える十勝岳連峰が、雄大な景色にさらに深みを加えていました。
最後に訪れたのは、層雲峡の「流星の滝」です。滝から流れ落ちる水が岩肌を打ちつける音が、静かな山間に響き渡り、その迫力に圧倒されました。滝の水しぶきが心地よく、自然の力強さと美しさを改めて感じることができました。
3日目: 曇り空から奇跡の晴れ間、オホーツクの大自然を巡る
曇り空の朝、私たちは前夜に滞在した温根湯温泉を後にし、3日目の旅を開始しました。温泉でしっかりと疲れを癒し、リフレッシュした気持ちでこの日の旅程に臨みました。
最初に訪れたのは「オホーツク流氷館」です。この流氷館では、冬にしか見ることができない流氷の世界を夏の間でも体験することができます。館内では、実際に冷凍された流氷に触れ、その冷たさと氷の美しさを体感しました。また、流氷の下に広がる海中の映像展示や、オホーツク海の自然についての学びを深めることができ、参加者全員がその神秘的な世界に魅了されました。
次に向かったのは「小清水原生花園」です。広大な草原が広がり、その先にはオホーツク海と知床半島の山並みが望める絶景ポイントです。この日は曇り空で、山々の下の方には雲がかかっていましたが、その雲がかえって風景に神秘的な雰囲気を加えていました。原生花園には、夏の終わりを感じさせる花々が咲いており、自然の息吹を感じながら散策しました。
昼食はこの美しい景色を車窓から楽しみながら、車中で「ホタテ弁当」をいただきました。新鮮なホタテがたっぷり入ったお弁当は、北海道ならではの味覚を堪能するひとときとなりました。オホーツク海を眺めながらの食事は、曇り空でも格別で、心が豊かになるような気持ちを味わいました。
昼食後は、「美幌峠」を経由して「摩周湖」へ向かいました。美幌峠では、標高の高さから広がるパノラマ風景を楽しみました。眼下の屈斜路湖に映る山並みは見事でした。残念ながら曇りのため遠くの景色は少し霞んでいましたが、雲の合間から見える景色は、どこか神秘的で雄大な印象を与えてくれました。
摩周湖に到着した頃、曇り空に奇跡的に晴れ間が現れました。摩周湖はその神秘的な「霧の摩周湖」として有名ですが、この日は雲が切れ、湖面がクリアに姿を現しました。透明度が高く、深いブルーの湖面は、まるで宝石のように美しく輝いていました。晴れ間に差し込む光が湖面に反射し、その美しさに誰もが息を呑む瞬間でした。この奇跡的な晴れ間のおかげで、摩周湖の真の美しさを堪能できたのは、今回の旅の中でも特に印象的な出来事となりました。
次に訪れたのは「硫黄山」です。ここでは、地面から湧き上がる硫黄の煙と、鼻をつく独特の硫黄の匂いが私たちを出迎えました。山肌からは活発にガスが噴き出しており、自然の力強さを感じずにはいられませんでした。荒涼とした風景の中で、地球のエネルギーを直接感じることができる場所として、訪れる価値を改めて感じました。
そして、3日目の終わりに向かったのは本日の宿泊地「川湯温泉」です。川湯温泉は、その名の通り川沿いに温泉が湧き出る地域で、硫黄泉としても有名です。夕方、宿に到着してからは、各自温泉に浸かり、硫黄の香り漂う湯で旅の疲れを癒しました。温泉の効能により、疲れた体がじんわりと回復していくのを感じながら、のんびりとした時間を過ごしました。
こうして充実した3日目の旅程が終了しました。北海道の豊かな自然とその力強さを間近に感じることができた一日となり、参加者全員が心地よい疲れとともに、明日からの研修への期待を胸に眠りにつきました。 (後編に続く)