【授業紹介】 環境論「SDGsをBCIの活動から理解しよう」
23.02.23
私は総合文化学科で「環境論」の授業を担当しています。環境問題として、持続可能な開発目標を聞いたことがあるでしょう。この持続可能な開発目標SDGsは、国連主導の活動で2015年9月の国連サミットで採択されもので、国連加盟の193か国が2016年~2030年の15年間で達成するものです。下図はSDGsの17の開発目標のロゴですが、具体的内容が理解しにくいところがあり、生活材料学の授業と結びつけて学習しています
「生活材料学」の授業では衣服に用いられる代表的な繊維として、「綿(めん)」を学習します。綿繊維はインド、中国、アメリカをはじめ世界各国で大量に栽培される農作物ですが、綿花の栽培には以下の諸課題があります。
①成長時に多量の水が必要で水の枯渇問題が発生、②綿花は栽培時に害虫が付きやすく、殺虫剤散布に伴う環境汚染や安全性が課題、③綿花畑は広大で、除草作業が大変である。
これらの問題解決には①殺虫効果をもつ種子、②除草剤に枯れない綿の木、すなわち除草剤耐性をもつ種子が必要で、遺伝子組み換え技術により殺虫効果と除草剤耐性をもつ種子が開発されました。その結果、世界の綿花の種子は、9割以上が遺伝子組み換え種子となっています。それに伴って発生した新たな問題に対応するため、NGO(非政府組織)であるBCI(ベター・コットン・イニシアティブ)は、20か国以上で綿花栽培農家の支援を行っており、SDGsに沿ったBCIの活動内容をみると、SDGsが用意に理解できます。具体例を以下に示します。
BCIの活動
〇SDGs 1 あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ。これに対して、
BCIは農薬投入量を削減し、生物多様性を高め、責任をもって土地を使用し、綿繊維の品質、収穫量を改善し、持続可能な農業と収益率の向上を目指して貧困をなくす。
〇SDGs 3 あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を増進する。
BCIは綿花農家が有害化学物質の使用を削減及び排除できるよう支援。統合された害虫管理など作物保護の代替方法の採用、個人用保護具の使用など、安全な農業についての知識を深め、化学物質の使用、水と土壌の汚染に対処することを目指す。
〇SDGs 4 すべての人に包括的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を提供する。
BCI は世界中の綿花農家のトレーニングと能力開発を促進。農民は農業に関するベストプラクティスに関する教育とトレーニングを受ける。2016-2017年の綿花シーズンでは23か国で160万人の綿花農家に対して訓練を行った。また、国を超えた知識の共有と学習も奨励している。
以上、BCIの活動資料ですが、SDGsの目標がどのようなものかを理解できましたでしょうか。
環境論では動画を活用するなどして色々な環境問題を学習しています。皆さんも環境問題に関心をもってよりよい社会づくりを目指しませんか。
環境論担当教員
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