【授業紹介】セーターに関する授業紹介
22.10.29
寒さの冬に向かってセーターが恋しくなる季節になりました。そこで、今回はセーターを題材にして関連する生活材料学、衣生活論、繊維学実験の授業内容に触れていきます。
セーターは暖かさが重要ですので繊維がクリンプ(縮れ)して空気を多く含み暖かい羊毛繊維が主に使われています。
写真1は緬羊(羊)で、1頭の羊からは毎年春に約2.5~3.0kgの羊毛繊維を採取でき、その原毛から最終的には約2~4枚のセーターを作ることができます。
セーターの編組織にはいろいろありますが、多い組織は平編です。同じ編組織でも太い糸で編めば、写真2の左のように手編み風のざっくりとした厚地の編地になり、逆に細い糸で編めば編目の細かな薄い編地となり、見た目、風合い、暖かさも大きく異なります。
下着、Tシャツ、ポロシャツはカット・ソー製品と呼ばれ、織物の製品と同様に編地を型紙に合わせて裁断、縫製して製品化します。セーター、カーディガン類は写真3のように編幅を変えて身頃、袖などのそれぞれのパーツの形に編む成形編が多いです。成形編では裁断ロスがほとんどなく、しかも編地に耳があるので編目がほどけず、かがって縫製するリンキングによる製品化が可能で、高級品志向の製品づくりに適します。これらのことは、生活材料学や繊維学実験で詳細に学びます。
ニットは伸縮性があり着やすいのが特徴ですが、収縮やサイズの問題、ピリング(毛玉)、縫目のほつれなどさまざまな品質クレームが考えられ、これらの品質問題に対処する知識を習得するため、衣生活論では繊維製品の洗濯や家庭での管理、企業がファッション製品を販売する際に必要となる品質、洗濯方法、サイズなどの表示や品質管理について学びます。
写真3は工業的なニット製品の製造方法を理解するための成形編による前身頃です。繊維学実験では写真4の家庭用編機を使用して写真5のような糸の太さや編目の大きさを変えた編地を実際に編成し、編地の特性を測定し、風合いを確認してニットの理解を深めます。将来、品質問題に遭遇することがあっても対処しやすいように授業内容を計画しています。
1頭の羊から2.5~3.0kgの原毛が春先に採取され、重量にして3割くらいの汗や泥汚れを洗毛工程で洗い落とし、最終的に2~4枚ほどのセーターを編むことができます。
同じ平編組織でも編機の編針の並びの粗密(編機のゲージ)や糸の太さの違いにより粗い編目から細かい編目まで各種の編地が編成できます。
成形編では身頃、袖などの形にパーツを編成するので裁断が不要で裁断ロスが発生しない、編地に耳があるので編地がほつれず、高級志向のリンキングによる製品化が可能で高級品となります。
家庭用編機により編地を編成し、ニットの編成法や編組織を理解します。
編地のウエール密度・コース密度、厚さ、ループ長などを測定し、編地の特性を把握するなかで、風合いや品質問題を考えることができるようになります。
このブログでは専門的な用語が並び、理解しにくい点がありますが、授業では図や動画を用いて説明し、実験も行いますので理解しやすくなります。製造方法など背景の知識があれば、将来販売の仕事に従事していても、品質問題発生時にお客様や社内の品質管理部署との情報交換などを円滑にできるようになります。
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ファッション・造形デザインコース教員
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