短期大学部・総合文化学科 │ 聖徳大学

【コラム】もっと抽象的にわかりやすく

20.09.24

「あなたの話は具体的すぎて理解できません。もっと抽象的に判りやすく話してください。」

この言葉を聞いて、どう思いますか?

  • はぁ?なにを言っているんですか?
  • 「抽象的」と「わかりやすい」は矛盾している。

と思いますか。

「わかる」ということはどういうことでしょうか。違いが判るということでしょうか。
「ああなるほど」という言葉はどういうときに出てくるでしょうか。違いが判ったときでしょうか。

そういう一面もあるかもしれません。でも、よくよく思い出してみると、似ても似つかないと思ってたものが、実は同じことだということに気付いたとき、「ああ、わかった」と思うのです。詳細は全然違うものに共通点を見い出し、「ああ、同じだ」とおもったときに、「わかったと」感じるのです。

この共通点以外を無視する行為こそが、抽象化です。抽象的であるということは、詳細、枝葉末節を捨てることなのです。枝葉末節を捨てないと共通点が見えません。抽象的だからこそ「同じ」が見えるということです。

私たちは、自分で感じている以上に細かい違いに気付くようです。でも、残念なことに、2つものを同一ものと見なすということは、あまり得意ではありません。だからこそ、「もっと抽象的にわかりやすく…」となるんですね。

大学では、抽象的な概念をたくさん学びます。これは、「わかる」ために必要なことです。でも、やっぱり、抽象的な言葉は難しいと感じますよね。それは、具体例が判らないかです。抽象的な言葉と具体例が結びつかないからですね。ものごとを理解するには、抽象的な言葉が必要ですが、言葉だけを暗記しても、「わかった感」はえられません。具体例をたくさん手に入れましょう。具体例は、自分の体験や感覚を通じてしか手に入らないので、自分から積極的に獲りにいきましょう。

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