【コラム】春の花 ひとり時間を楽しもう!
20.04.20
皆さま、こんにちは!
ハナミズキの花が青空に映えて、とても美しいですね。
ハナミズキと言えば、一青窈さんの歌う「君と好きな人が百年続きますように」という歌詞を思い出し、切なくなります。歌からその当時の記憶を蘇らせることもありますが、花を見て歌が喚起されることも多いですね。
今日は、『万葉集』(現存最古の歌集)に詠まれた春の草木から、私の好きな歌を紹介いたします。(写真は、高岡市万葉歴史館のHPのフリー素材集からいただきました。)
-柳ー
青柳の 上つ枝 よぢとりかずらくは 君が屋戸(やど)にし 千年寿くとそ(巻19・4289・大伴家持)
青く芽吹いた柳の上のほうの枝を引き寄せて折り、鬘(かづら、髪飾り)にするのは千年の栄えを祝うためとし、しなやかで生命力のある柳で鬘を作って髪にさすことで、長寿や繁栄を祈っています。
因みに、古代中国では、旅立つ人に柳の枝を折り取って輪に結んで贈る風習があったそうです。輪は「環」とも言い、帰還の「還」と同じ発音をすることから、柳を贈ることで無事戻ってこられるようにと旅の安全を祈ったのです。
ー堅香子ー
もののふの 八十娘子(やそをとめ)らが 汲み乱(まが)ふ 寺井の上の 堅香子の花(巻19・4143・大伴家持)
堅香子(かたかご)とは、片栗(カタクリ)の花のことです。片栗の地下茎から片栗粉が作られますが、花はとても可憐ですね。
数多の少女らが入り乱れて水を汲む、寺の井戸のほとりのカタクリの花よ――少女らは実景ではなく、群生するカタクリの花を少女の姿に見立てたものとも言われています。
ー藤ー
最近は藤の花が見頃です。藤棚の藤の花が風に揺らめくと優雅です。
かくしてそ 人の死ぬといふ 藤波の ただ一目のみ 見し人ゆゑに(巻12・3075)
藤波は、藤の花房が風になびく様子を波に見立てていう語です。藤波のように美しい人をただ一目見ただけで、人はこのように(恋に)死ぬという…とてもロマンチックな歌です。
日々の生活の中で花を愛で、花の名前を覚えて、歌を詠んだり、その花を詠み込んだ歌を探してみたりすると気持ちが豊かになります。
しばらく外出自粛要請が続くので、不要不急の外出はできませんが、食料品を買いに出かけた時は、空を見て深呼吸をしたり、木々を吹き抜ける風の音に耳を澄ましたり、足元に咲く花々を愛でたりして気分転換しましょう!
また、おうちで〝ひとり時間〟を楽しむのもいいですね。現在、全国ほとんどの美術館や博物館が休館中なので、HP等で様々なサービスを提供しています。「おうちミュージアム」のリストがあるので、ぜひ訪問してみてください。家にいながら、いろんな所に行けたり、いろんな分野の勉強ができたりしますよ。
おすすめは、国立民族学博物館(大阪府吹田市)の「おうちでみんぱく」。国立民族学博物館の常設展示がまるごと見られます。
もふもふの動物に癒されたいというあなたには、各地の動物園の公式ツイッターがおすすめです。例えば、現在、休園中の上野動物園もツイッターで毎日、動物たちの様子を知らせてくれます。#デイパンを検索すると、パンダのシャンシャンやシンシン、リーリーの写真や動画も見られます!
おうちでお菓子作り・お絵描き・読書・映画鑑賞・音楽鑑賞などなど、ひとり時間をたっぷり楽しんで、新学期に備えましょう。
皆さんに授業で会える日を楽しみにしています。
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4月26日(日)に予定しておりましたオープンキャンパス、5月2日(土)短大ミニオープンキャンパスは
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から中止とさせていただきます。
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