心理・福祉学部 社会福祉学科 │ 聖徳大学

食事の介護 part1~介護福祉コースの授業紹介~

24.10.03

こんにちは 社会福祉学科助手の和田です。

今回、介護福祉コース1年生が「生活支援技術Ⅳ」で学ぶ「食事の介護」の演習の様子をご紹介します。

「ソフト食」という言葉は、あまり耳にしない言葉だと思います。

ソフト食とは、高齢者や摂食・嚥下障害などの噛む力や飲み込む力が低下している人に向けて作られている食事です。

演習では、嚥下機能等が低下した方向けの食事(ソフト食)の試食や増粘剤(トロミ剤)を使用した飲み物(お茶、スポーツドリンク、果物ジュース)を作り、試飲し、各グループで実際に食べて、飲んでみた感想を共有しました。

ソフト食のお弁当セット①
ソフト食のお弁当セット②

掲載している写真のように、一見ソフト食には見えず、お惣菜売り場にて販売されているチーズハンバーグにしか見えませんでした!

学生たちは、「普通においしそう!」、「やわらかいけど、ちゃんと味付けもしっかりしている」や「私の好みだと、塩辛い気がする・・・」、「揚げ物もきちんとした形になっている」等の意見が飛び交っていました。

私も試食させていただき、ご飯の米粒も形としてありましたが固くはなく、舌や歯茎でもつぶせることができ、口の中におかずが張り付くことやばらけることもありませんでした。

また、エビなどの甲殻類は固く、飲み込みずらい食材ですが、ソフト食では普通のエビに見えますが、スプーンで簡単に切ることができ、食材の味を損なうことはありませんでした。

こうしたソフト食の製品は次々と改良され、たくさんの食材が食べやすい形へと変化しています。

ソフト食を初試食Σ(・ω・ノ)ノ!
食レポのように食感や味付け等を共有!!

次に、増粘剤(トロミ剤)を活用し、嚥下機能が飲み物を飲みやすくする演習を実施しました。

増粘剤(トロミ剤)もソフト食と同じく、嚥下機能が低下した方向けに作られた食品です。使用量によって、トロミの付き方も変化し、利用者に合わせた飲み方を調整していきます。

日本介護食品協議会では、とろみの状態についてメーカー間の表示を統一し、とろみのつき方を下記のように、4段階または3段階のイメージで表現しています(参照:わかるユニバーサルデザインフード|日本介護食品協議会 (udf.jp) 2024年10月3日閲覧)。

学生たちも、使用量にあわせてとろみがついた飲み物を作り、実際に試飲してみました。

試飲した学生からは、眉間にしわを寄せて「お茶は、ものすごく苦みがつよいです」、「スポーツドリンクは、まだ飲みやすい」、「果物のジュースは、ゼリーみたいに感じるかもしれない」などの意見がでていました。

それぞれの飲み物に合わせて、とろみがつくのに時間がかかったり、甘みや酸味、苦みが強くでてしまったりすることもあります。また、増粘剤(トロミ剤)も強くつけすぎてしまうと、誤嚥や誤飲につながります。

今回の演習をとおして、実際に高齢者および嚥下・咀嚼機能が低下した方向けの食事を召し上がったことにより、利用者に合わせた飲み方や食べ方のイメージができたのではないでしょうか。

こうした経験が介護福祉士の専門性の一つとなり、実習先や介護現場ではどのような支援をしているのかを確認し、自分自身が支援するための技術になると思いました。

介護福祉コース1年生の皆さん、頑張っていきましょう!!

文:和田早織(助手)

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