ゼミ紹介
24.06.05
みなさん こんにちは。社会福祉学科の湯原です。今回は週1回開講している社会福祉演習(3年ゼミ)の内容をご紹介します。
湯原ゼミは現在11名です。みな養護教諭を第一志望とする学生です。
春学期は新聞記事を、秋学期には研究論文を教材に、自分の興味関心の幅を広げ、ゼミ生とのディスカッションを通して、考えを深めていきます。
これまでに取り扱った新聞記事は、「クラス替え事情」「教室での昼寝」「ネット依存」「性の多様性」「長袖を脱がない子」「不登校児の親支援」「ヤングケアラー」「自転車のヘルメット着用」「災害によるトラウマ支援」などなどテーマは多岐に渡りました。
毎回のゼミでは、担当の学生2名が自分の興味関心のある記事を探し、概要をまとめてきます。そしてゼミ生に発表して、自分の考えを述べます。大事なことは、記事の内容をよく理解して伝えるだけでなく、その中から疑問を見つけることです。その日のディスカッションのテーマを決めるのは担当の学生です。その疑問をみんなで一生懸命に考えます。
物事を反対から見てみましょう!と伝えています。不登校になるのはなぜか?→学校にくるのはなぜか? このような見方をできると多様な考え方を持てるようになるのではないかと思います。例えば「長袖を脱がない子」をテーマに取り上げた回では、脱がないことでのメリットは何かを話し合いました。『自信のない自分を一時的に守り、みんなと一緒に活動できる』『精神的に安定した状態で過ごせる』『活動できたことで自信につながる』という意見が挙がりました。長袖を問題視し、半袖にさせることを目標にするのではなく、脱ぐことができない事情や背景に思いを馳せ、その子がその子らしく活動できる方法を一緒に検討することの方が大事であることに気付くことができていました。
グループディスカッションは2グループに分かれて行い、出た意見はホワイトボードにまとめ、共有。最後にディスカッションのテーマを提案した学生から感想を述べてもらいます。
糸口が見つかりそうにもない難しい疑問に対して、最初は「難しいね~」「全然思い浮かばない」とつぶやく回もありますが、すべての学生が積極的かつ楽しく意見を出し合い、約30分のディスカッションを経て、最終的には非常に多様な考えや取り組みを検討することができています。毎回感心させられます。自分の意見を述べ、称賛されたり受け入れられたり、また自分の意見によって他者の気づきを促していることを知ったりする経験が、組織の一員として働く養護教諭の資質と能力の育成に役立っていると感じます。