心理・福祉学部 社会福祉学科 │ 聖徳大学

卒業式に養護教諭が思うこと

24.03.18

こんにちは。社会福祉学科の進藤です。卒業式の季節ですね。これまで養護教諭として迎えてきた卒業式にはいつも、自分へ問いかけていました。この生徒たちの成長の手助けが出来たのだろうか。生徒たちはこの先、社会に出て行く不安はないだろうか。

先月のニュージーランド研修では、ヘルスセンターを訪れました。そこでは、朝食を食べてこられない生徒には朝食を提供し、病院に行けない生徒には薬を提供していると聞きました。福祉的視点からみれば、それは素晴らしいことです。しかし、日本の保健室では、朝食も薬も提供することはありません。

日本では「生涯を通じて自らの健康を適切に管理し、改善していく資質や能力の育成」が求められています。健康教育の一端を担う保健室も、この考えを忘れてはいけません。朝食を食べていない生徒には、食べてこられるように一緒に考える。病院に行けない生徒には、その理由を探りアプローチする。生徒が将来にわたって生きていくための行動変容を期待して、様々な取り組みを行います。

学校を卒業するまでに、健康を自らが維持増進できる態度を身につけさせようとするのです。それが養護教諭が単なるスクールナースではなく、教育職である所以です。さらに、自分だけでは困難なときには「助けて!」といえる『援助希求』の力も育てていきます。その話は、また次の機会に…。

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