心理・福祉学部 社会福祉学科 │ 聖徳大学

「漏斗胸」を知っていますか?

23.10.18

皆様こんにちは。社会福祉学科の進藤です。本日は、私が研究をしてきた「漏斗胸」についてお伝えいたします。

「漏斗胸」を知っていますか?胸(肋骨)が陥凹する疾患です。先天性の疾患ですが、体が成長するにつれ凹みが大きくなることも多く、特に思春期以降の子供には心身に影響を与えることが懸念されます。内臓が圧迫されることによる心肺機能などへの影響とともに、心への影響も計り知れません。

そこで、私の研究では、漏斗胸で受診した子供達に、学校生活を中心に聞き取り調査を行いました。体への影響としては、学年が上がると長距離走が苦しくなっていったことや、心電図に異常が出たことなどが挙げられました。心への影響としては、自分の体を隠すような行動をとっていたこと、プールの授業が嫌だったこと、友人に胸の凹みについて指摘をされ困ったことなどが語られました。

漏斗胸は生まれつきで、生命を左右することもないため、養護教諭や保護者の方は特別な対応はしていないかもしれません。しかし、思春期前後に新たな問題を抱えることも多く、見逃せない疾患になってきます。自己肯定感の低下も考えられます。

学生とは「健康科学」の授業で漏斗胸を例に“健康とは何か”を考えています。学校や家庭で、漏斗胸へのよりよい支援がなされることで、救われる子供が増えることに期待したいと思います。

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