【第3回】毒蝮三太夫先生の講義【忘我利他】
21.11.16
二週間ぶりにこんにちは。助手の武田です。
毒蝮先生の授業も今回で3回目になります。
そろそろ1回目の報告ブログのテンションを維持するのが気恥ずかしくなってきました。
さて、今回の授業では忘我利他の価値観についてお話を頂きました。
忘我利他とは、他者のために尽くすことが、そのまま自分の幸せになる、といった考え方にあたります。もちろん忘我の文字のとおり、それが自己満足ではないというところが重要です。簡単なようでいて、意識するのは難しいことです。
ちなみにこの忘我利他の考え方には、人によっていくつもの解釈があります。それを調べてみるのもおもしろそう。
授業の最後に、毒蝮先生はこんなお話をしてくださいました。
耕治人さんの「天井から降る哀しい雨音」という小説です。
ある夫婦のお話です。奥さんの方に進行した認知症状が出ていて、毎夜二時の時計の鐘が鳴ると、旦那さんを「ご飯ができましたよ」と起こしに来るのだそうです。
旦那さんは、奥さんについて行ってご飯を食べると、また布団に入って眠る。
しかし実際は、お茶碗やお鍋やお櫃は空で、旦那さんは空の食器を使って食べる真似をしていた、というのが真相。
はて、では雨音というのはなんだったのか、というと、毎夜二時に鳴る時計の音のことだそうです。
さて、毒蝮先生は、この旦那さんのとった、奥さんに対しての言外の受容的な態度を「忘我利他」の行為だと仰いました。たしかに、毎日夜中に起きて、実際にはないご飯を食べて(食べるふりをして)、なにより奥さんの行動を否定しないことは、相手を思って何かをする忘我利他のあり方そのものです。
こうして例を聞いてしまうと、それがいかに難しいことかを実感させられます。
ちなみに、このお話について調べてみましたが、某通販サイトや電子書籍ショップで購入できるようですので、気になった方はぜひ。
毒蝮先生の授業もいよいよ後半戦に入ります。
時間の授業は12月20日(月)、クリスマスの直前です。毎年この時期には毒蝮先生が(オリジナルの!)童話を聞かせてくださるのですが、今年はどうでしょう?
来月を楽しみにしつつ、本日はこの辺で締めたいと思います。
社会福祉学科助手の武田でした。