心理・福祉学部 心理学科 │ 聖徳大学

感染症の流行と心理学、そして未来

20.06.12

心理学科HPをご覧の皆さん,こんにちは!

今回は,聖徳大学附属心理教育相談所で相談員をされている先生方に心理学を紹介するコラムをお願いしました。
相談所の相談員,つまりカウンセラーの先生です。心理学科の学生にとっては,最もイメージしやすい心理学を活かした職業ですね。
心理教育相談所は,地域社会に開かれた相談機関(有料)で,心理学科を卒業後,公認心理師や臨床心理士を目指す先輩方が大学院生として実践訓練を行う施設でもあります。
今回は,その第1回 富島大樹先生の「感染症の流行と心理学,そして未来」です。
コロナ感染症の問題がまだ続いているまさに今,皆さんに読んで欲しい内容です。

~~~【感染症の流行と心理学,そして未来】~~~

    聖徳大学附属心理教育相談所 富島大樹先生

新型コロナウイルスの感染拡大で今、この日本も大変なことになっています。
私たちはどうしたらいいのでしょうか?

私の3歳の息子も、鼻の頭に汗をかきながら、マスクを頑張ってつけています。
これからの季節、暑くてつらいですね。

私は普段、聖徳大学心理教育相談所で相談員をしています。
カウンセリングに関係した状況の変化に対応できるように、相談員の立場で勉強を続けています。

感染症の流行が性格を変えてしまう!?

そんな中、ある論文を読んでいたら、興味深い記事を見つけました。
今回の新型ウイルスのような感染症の流行が、人の性格も変えてしまう、というのです。
感染症が脳にまで影響を与えて、人の性格を変えてしまうのでしょうか。

実際はそうではなくて、感染症が流行している地域は、人との接触を避ける傾向にあるため、外向性が低くなるという結果が示されていました。
少し安心しました。
外向性というのは「人とたくさん話しをする」などの性格の特徴のことです。
データでは、感染症の流行が原因で、性格の変化が結果であることを示しています。
つまり外向性が低い人が生き残ったのではなく、感染症の流行によって外向性が低くなったと読み取れるということです。

行動が習慣になり、習慣が性格になる

ところで、性格は生まれつきのものであると、どこかで聞いたことがあるかもしれません。
ところが別の研究では、先の外向性では遺伝によって説明できる部分は43%のみだといいます。
すなわち57%は環境要因、人生経験、生活習慣などで変化してしまう、ということです。
心理学では「行動が習慣になり、習慣が性格になる」という考えがあります。
ステイ・ホーム、ソーシャル・ディスタンスという行動の変化は、私たちの性格にまで影響を与える可能性があります。

新しいテクノロジーの活用

ただ、同時に私たちは新しいテクノロジーを生み出し続けています。
先日私は、Zoomというテレビ会議システムを使って、先生や研究者仲間とオンライン・ミーティングをしました。
画面の反応や音声が遅れるなどありましたが、おおむね話したいことを話すことができました。
大学の講義やゼミもテレビ会議システムを使って行われ始めています。

息子は入院中のばーばに、テレビ電話でおもちゃをねだっていました。
直接の対面の会話は難しくても、現代はオンライン上で会話ができるようになっています。
オンライン帰省、オンライン飲み会など新しい生活様式がまさにそれに当たります。

これからの時代は、生活様式を変えることで、性格までは変えることなく、命や健康が守られるようになる可能性を秘めています。
カウンセリングや心理学研究もオンラインを通して実施され始めているところもあります。

新しい時代と未来の心理学を一緒に見に行きませんか?
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聖徳大学では,紹介のあったZoom機能を使って,オープンキャンパスが実施されます。

6月13日(土)LIVE版WEBオープンキャンパス

ぜひご参加ください。心理学科の学科紹介は12:20~12:50 です。
参加には申し込みが必要です。詳しくはこちらを読んで下さい。

 

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