かがやく卒業生(20):リハビリテーションに励む患者さんのために働く音楽療法士のSさんとTさん
21.08.02
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皆さん、こんにちは!
今回の卒業生紹介は、リハビリテーションに励む患者さんのために働く音楽療法士お二人、SさんとTさんです。
<聞き手は廣川恵理先生>
――こんにちは。お久しぶりですね。さっそくですが、今のお二人のお仕事について教えてください。
Sさん:今働いているところは、鶴巻温泉病院のリハビリテーション部のリクリエーション・セクションです。レクリエーション・トレーナーとして働き、音楽療法も実践しています。Tさんは7年目、私は5年目です。
――今日は、勤務後のお疲れのところをありがとうございます。お二人が聖徳大学音楽学部で音楽療法を学ぼうと思ったきっかけをお話しください。
Sさん:私は作曲や編曲が好きだったのですが、中学生の時に、今から学ぶのではプロになるには間に合わないだろうと思い、音楽を使ってみんなと楽しめる時間を作りたいと思って音楽療法を選びました。
いろいろな大学のオープンキャンパスに行きましたが、実技の面でも入学してからちゃんと頑張れば大丈夫だから、と先生が励ましてくださったのが聖徳大学だったのです。
Tさん:私は、進路に悩んでいる高校生の時に、一緒に住んでいた祖母がくも膜下出血で倒れ、認知症になってしまったのです。私はずっとピアノを習っていたので、祖母の好きな美空ひばりの曲を練習して聴いてもらったら、祖母がとても喜んでくれたのです。
それがすごく嬉しくて、こういうことをする仕事はないかと思い調べたら、音楽療法を見つけました。自宅から通えて音楽療法を学べる大学が聖徳大学でしたし、オープンキャンパスに行って、雰囲気も気に入り、聖徳を選びました。
<病院でのお仕事中のTさん(左)とSさん(右)>
――そうだったのですか。大学生活で楽しかったことと、大変だったことを教えていただけますか。
Sさん:音楽が好きで音楽をやってきた仲間が一緒に音楽療法を学び、同じ授業を受け、語り合ったり盛り上がったりするのが楽しかったと思います。趣味や好みが違っても馬が合って楽しかったです。
大変だったことは、座学が苦手だったので、今まで知らなかったことを専門性をもって座学で学ばければならなかったのが大変でした。
――なるほど、よく覚えていますよ(笑)。Tさんはいかがですか?
Tさん:学部は女子大なので、友達と何でも話せて毎日が楽しかったです。実習は知的障害者施設に郡司正樹先生と行ったのですが、利用者さんのパワーがすごくて、一緒に踊って歌っちゃうというハッピーな、一緒に音楽を楽しめる場だったのがすごく楽しかったです。
大変だったことも実習なのですが、私はそれほどピアノが得意な方ではないので、実習をやるときに何の曲をやるのかをみんなで考えたり練習したり、ちょっと大変だったなと思います。今から考えると達成感があったのですが、あの当時は大変でした。
――ありがとうございます。実習は楽しかったけれど大変だったということですね。大学生活を通してどんな力がついたと思いますか。それが今、どんな風に活かされているでしょうか。
Sさん:とにかく、度胸がついたと思います。
――どういう場面で?
Sさん:私は音楽を人に聴かせる上での作法などを知らなくて、それを大学に入って指導していただき、音楽家としての教養や度胸がつきました。
実習中も、対象者にどういう風に接していったらよいのかという技術が身につきました。廣川先生の授業では神経学的音楽療法を使ったロールプレイをやったと思うのですが、実際にやってみるというところで、度胸も身についたと思います。
<在学中、打楽器の即興演奏をリードするSさん>
――なるほど。Tさんはいかがですか?
Tさん:患者さんに提供できるような昭和の曲のレパートリーが増えたのが一番です。そして、実習を通して患者さんとのコミュニケーション能力もついたと思います。
――そうですか。具体的なことがあったらもう少し教えてください。
Sさん:私は、伴奏付けは高校生の頃から楽譜がなくてもできて、割と得意だったのですが、それは独りよがりの演奏で、人に聴かせるだけのための演奏でした。
みんなで一緒に歌いましょうとか、やりたくないと言っている人を乗せるような伴奏ではなかったので、伴奏法の授業や、試験などで先生からここはもっとこうした方が良いとアドバイスをいただいたことが、今の仕事で活かされていると思います。
授業の中でできるように努めたことで、実践で使う音楽スキルについても、現場に出ても困らないような力がついたと思っています。
Tさん:私は、大学で学んだ曲を職場でそのまま使っていますので、学んだことがそのまま活きていると思います。そして仕事を始めてからすぐに、患者さんに対してあまり緊張せずに、明るく声をかけることができたのも、実習を経験したからだと思っています。
――大学で学んだことがいろいろな面で役立っているのですね。うれしいです。では、聖徳大学の音楽学部で学ぶ良い点があったら教えてください。
Tさん:本物の芸術音楽に触れる機会が他の大学より多いと思います。大学に入学するまで、自分はピアノ以外はやったことがなかったのですが、歌のレッスンを受けましたし、ヴィオラを副専攻の楽器として学びました。そういうところもおすすめポイントです。
――その点は、恵まれていますよね。それでは、これから音楽療法を学ぼうと考えている高校生に対して、アドバイスがあったらお願いします。
Sさん:大学教育は義務教育ではないので、本当に自分がやりたいこと、学びたいことを選んでください。なんとなく音楽が好きだからとか、サークルやキャンパスの華やかさに惹かれて入学しても長続きせず、自分もしんどいですし、何よりもお金と時間がもったいないです。
質の良い音楽療法を提供するためには、大学で基礎を身に着けることが大切で、自分が苦手だった座学に中に、ヒントがたくさん隠されているのだなあと、常々感じています。今の日本の音楽療法は、まだまだ発展途上だと私は思っているので、これから入学する皆さんにも一生懸命学んでもらって、一緒に音楽療法界をけん引する仲間が増えることを楽しみにしています!
Tさん:私は実践していて今だに悩むことが多いのですが、音楽療法はやっていて楽しく、数値に表せなくても患者さんの変化を見てきて、面白くて深い分野だと思います。興味があったら是非学んでみてください。
――今日は、本当にありがとうございました。お二人とも、体に気を付けて今後もご活躍ください。
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