かがやく卒業生(18):子どもの発達支援に取り組む音楽療法士のHさん
21.06.25
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皆さん、こんにちは。
今回は、音楽療法の資格取得を目指して音楽学部に社会人編入学し、卒業して音楽療法士として働いているHさんにお話を聞きました。
<聞き手:廣川恵理 先生>
――Hさんは、今どんなお仕事をされているのでしょうか?
認定NPO法人発達わんぱく会が運営する、「こころとことばの教室こっこ」という児童発達支援事業所に音楽療法士として勤務しています。発達的に凸凹のある、就学前のお子さんに療育種別の一つとして、音楽療法を提供しています。
――聖徳大学音楽学部で音楽療法を学ぼうと思った理由を教えていただけますか?
私は一般大学を卒業後、知的障害児の入所施設で児童支援員をしていたのです。そこでは言葉での支援やコミュニケーションが難しい子どもさんたちが多く、音楽を使うと子どもがとてもよく反応し、情緒的にも良い状態になることを実際に見て経験しました。音楽が好きだったので、自分でも音楽療法で支援できるようになりたいと思ったのです。
――現場で音楽の力を実感されて、聖徳で学ぶことを決めたのですね。
はい。一般大学からの編入でも最短2年で卒業が可能だったので、経済的にもメリットが大きいと思いました。それに受験前の実技レッスンを担当してくださった原沢先生(現 名誉教授)やピアノの原先生がものすごく親切で頼れる感じだったので(笑)。
――なるほど! 大学で楽しかったこと、大変だったことは?
私は働いてからの編入だったので、年齢が一回り違う同級生とどうでもいい話をして盛り上がったり、協力しあって課題や実習をこなすことがすごく楽しかったです。
音楽療法コース(現 音楽療法メジャー)は先生方とも距離が近くてアットホームな感じだったように思います。研究室に友達と押しかけ、お茶やお菓子をご馳走になったりしました。
大変だったのは、実技系の課題ですね。特に私はピアノが苦手で、在学時すでに子持ちだったので練習時間の確保も苦労し、泣きながらやっていた気がします(笑)。でも、先生方は出来の悪い私のような生徒も見放さず、丁寧に指導してくれたんですよ。補習までしてくださった原沢先生には頭が上がりません。
――大学生活ではどんな力がついたと思いますか?
実技も講義も、正直かなりハードだったので、上手い下手はともかく、最後までやり抜く力はついたかな、と思っています。あとは実習が多かったので、どんな状況でも自分をオープンにして関わる、という対人援助の基本的な姿勢を学んだように思います。
――今のお仕事で、大学時代に学んだことはどんな風に生かされていますか?
例えば、コード理論やコードネームでの伴奏、即興演奏の演習は、本当に学んでいて良かったと思うことしきりです。授業でたくさん失敗しながらも継続的に取り組んだことで、コツみたいなことを体が覚えていてくれている気がします。
あとは、実技面で下手でも、経験がなくても、とにかくやってみて、というスタイルで指導を受けることが多く、そのマインドが、実際仕事をする上でものすごく役に立っています。
対象の子どもたちは本当に多様で、どうか関わるか正解はないわけですけど、とにかく自分らしくやってみるという姿勢が、好ましい結果に繋がることが多いですね。
――高校生の皆さんへ、聖徳の音楽学部のここがよかったよ、という点を教えてください。
個性豊かな先生がたくさんいて、とても丁寧に指導してくれます! 事務室の職員の方も親身に相談に乗ってくれます。そして、自前のホールなど素晴らしい設備が整っていて、贅沢な環境で学べます。
――これから音楽療法を学ぼうと考えている高校生へのアドバイスがあったらお願いします。
「こうやったら音楽療法士になれる!」というノウハウはありませんが、「あなたらしさ」を生かしながら道を探していける楽しさが、音楽療法にはあると思います。
すでに音楽技術を持っている学生さんであれば、それに加えて実際に対象者に関わる経験をしておくと、現場に出てからとても役立つと思います。人への興味とあなた自身の感性を大切に、是非トライしてみてください!
――Hさん、今日は本当にありがとうございました。お体に気を付けて益々のご活躍を期待しています!
<Hさんと同じく編入して音楽療法を学んだTさんとお互いの息子さんたちと>
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7月4日(日)のオープンキャンパスでは、音楽療法の体験授業を実施します。担当は、今回のインタビュアーでもある廣川恵理先生。音楽療法に関心のある方は、ぜひご参加ください♪
◎7月4日(日)オープンキャンパスの詳細と参加申込は こちら
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