【速報】音楽学部の徳丸吉彦客員教授が2021年国際音楽学会グイード・アードラー賞に選出されました
21.06.16
国際音楽学会が、2021年度グイード・アードラー賞に本学音楽学部客員教授の徳丸吉彦氏を選出しました
※学会ウェブサイト
https://www.musicology.org/awards-and-programs/ims-gap/95-awards-programs/250-ims-gap2021
1927年に設立された本学会は、音楽関係の国際学会としては最も重要なものの一つです。本賞は、学会設立者で音楽学研究に大きな貢献を果たしたグイード・アードラーGuido Adler(1855-1941)を記念して2017年に創設されたもので、音楽文化への貢献が著しい研究者の中から毎年1〜2名が選出されます。
国際音楽学会ウェブサイトには、徳丸氏の選出理由が以下のように記されています。
「5つの言語で発表された、極めて重要な研究書の数々と、お茶の水女子大学及びカリフォルニア大学ロサンゼルス校における卓越した教育業績、ガーランド世界音楽百科事典、ラルース世界音楽事典、ニューグローヴ世界音楽大事典の日本語版といった、主要な国際版事典・百科事典の編集実績、さらに、著書『民族音楽学』で東洋音楽学会から授与された田邊賞、第20回国際音楽学会東京大会における基調講演者への選出が、主な選出理由です。徳丸氏は、日本音楽の様々な研究から、間テクスト性、音色、音組織、アメリカ音楽の影響、三味線へと研究対象を広げ、日本の伝統音楽の保存に対して実践レベルで関与しています。徳丸氏の研究は、個々に見ても、また全体としても、今後長きにわたって日本音楽研究の指針となるでしょう。徳丸氏は、植民地主義と戦争によって音楽文化が損なわれたことを憂慮していました。そして、伝統音楽の回復と保存のためには、録音や種々のドキュメント類から成る音楽研究の成果を現地に返すべきであることを提唱しました。国際音楽学会は、徳丸氏のこれらの努力に対して心からの敬意を表します。この「フィールドバック」(訳者注: 「研究成果を現地に戻す」という意味の徳丸氏の造語)の強調は、音楽研究の社会的責任を考える上で新たな見識を示しました。」(訳: 髙松晃子)