授業紹介:西洋音楽史概説~展示資料から学ぶ生きた音楽史~
19.10.02
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音楽を専門的に学ぶ際に欠かせない分野に「西洋音楽史」があります。
この科目では、古代から現代に至る長いヨーロッパ音楽の変遷をたどり、社会、文化、思想等とのかかわりを考えながら、音楽の様式を理解していきます。
小中学校の音楽室に飾られた作曲家の肖像画は、たいていヴィヴァルディやJ. S. バッハから始まっていますね。彼らはバロックと言われる時代(1600~1750年頃)の作曲家です。でも、音楽の源流は当然それより前に遡ることができますので、西洋音楽史を扱う科目群では、古代から現代に至る悠久の歴史全般が対象となります。
さて、1年生が秋学期に学ぶ「西洋音楽史概説」。
10月2日(水)に行われた3回目の授業では、1号館聖徳博物館で開催中の「聖徳大学収蔵名品展 中世ヨーロッパの彩飾楽譜」を見学しました。
典礼で歌われる「グレゴリオ聖歌」が前回のテーマだったところから、学生たちは「口頭で伝えられていた音楽が、どのように楽譜に記されるようになったか」を、生の資料を通じて理解しました。
中に入ると、まず山本まり子先生が楽譜の歴史に関して概略を説明。
学生たちは山本先生の説明を聴きながら、楽譜をひとつひとつじっくりと見学していきます。
もともと口頭で伝えられていた音楽は、正確に伝承する術として楽譜に残されるようになりました。
最初に展示されている楽譜は、譜線のないもの。文字と記号が一面に書かれています。
やがて、「ネウマ」と呼ばれる記号を使って四線の楽譜に記されていきました。
おぉ、前回学んだグレゴリオ聖歌のキリエ第4番の旋律が書かれた楽譜が!
読み取れるかな? 「 歌ってみよう!」
ひと通り説明を受けた後、学生たちは自由に見て回りました。
その様子を10秒動画でどうぞ。
聖徳大学 収蔵名品展
?中世ヨーロッパの彩飾楽譜?10/2、音楽学部の授業「西洋音楽史概説」の中で、受講生たちが担当の山本まり子先生から説明を受けながら、楽譜展を見学しました。#聖徳大学 #音楽学部 #聖徳博物館 pic.twitter.com/RI43KHzM4J
— 聖徳大学SOA音楽研究センター? (@mrcseitoku) October 2, 2019
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見学後、学生たちからはこんな感想が聞かれました。
「ただ音を記載するだけでなく、華やかに装飾された頭文字などが印象的でした。」
「本物を見ることによって、今勉強している古い時代のことが、想像だけでなくリアルなこととして見えてきました。」
「譜線がなくてまったく理解できない楽譜から、少しずつ読める楽譜になっていく様子が興味深かったです。」
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学術的な価値の高い本物の資料を前に、生きた音楽史を学ぶ機会に恵まれた学生たち。
遠いものに思われた中世の音楽も、身近なものに感じられたことでしょう。
なお、聖徳博物館では3か所のスペースを使って、学園の貴重な学術資料を一般の方にも公開しています。
※詳しい情報は こちら
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