卒業生をたずねて①
23.04.25
今回は、東京23区の台東初音幼稚園に勤務されているS先生をご紹介します。
S先生は今年新任の先生で、年中クラスを担任されています。保育科の学生時代は、二部生として、仕事をしながら学業を修められました。
小さい頃からずっと剣道をされていて、警察官に憧れていたS先生。
まずは、保育者を目指したきっかけから伺っていきましょう。
【きっかけは妹】
実は小さな子どもは苦手だったS先生。先生には15歳差の妹さんがいらっしゃいます。中学3年生のときのこと、当時北海道に住んでいらしたS先生は、12月の吹雪の日、たまたま高校が臨時休校になり、妹さん誕生の瞬間に立ち会うことができたそうです。
「それまでは、妹が生まれてくるのが嫌だなと思っていたんですけど、産声聞いた瞬間に、涙が出てきて、そこから小さい子が好きになりました!」と当時の思い出を語ってくださいました。妹さんははじめ産声をあげなかったそうです。「どうなっちゃうんだろう」とすごく心配したS先生。助産師さんの処置により、「おぎゃあ」と声があがった瞬間、先生も号泣。それからは、電車内で見かけた泣いている赤ちゃんに微笑みかけるほど、小さな子どもが大好きになったそうです。
妹の保育園のお迎えに行くようになり、「そういえば保育士さんってお話も出来るし、お歌も歌えるし、子どもたちとも遊べるということに気づき、保育士いいかも」と思われたそうです。
【デビューは保育園】
北海道から上京され、聖徳短大保育科に入学されたS先生。大学から紹介された保育園でアルバイトをしながら夜間の授業を受ける二部生として学業に励まれました。9~16時までアルバイトをして、18~21時まで授業を受け、22時までピアノを練習して帰るというのが日課だったそうです。かなりハードな毎日だったようですが、効率よく時間を使い、その努力が実ってアルバイトをしていた保育園にそのまま就職されました。
0歳から5歳児までの成長が見られることが楽しく嬉しかったそうで、働くママさんの感謝や共感に励まされ、保育士の仕事を(学生時代の)保育助手として3年、正規職員として3年続けられたそうです。
【不思議なめぐり合わせ】
保育園でのキャリアを積みながらも、「若いうちに幼稚園の先生もやりたい!」ということで、S先生は幼稚園で働くことも考え始めました。そして、剣道もやりながら仕事もできたらいいなと、現在の台東初音幼稚園に就職されました。就職面接の際、剣道8段の園長先生は、S先生のお父様の大学の先輩だった!ということが判明。不思議なめぐり合わせですね。
【保育者冥利につきること】
「先生に安心して預けることができて良かったです」「本当にありがとうございます」という保護者の言葉に励まされるというS先生。「先生はいつも笑顔で目を見て挨拶してくださって、いい先生だな」という保護者もいらして、「ああよかったな、本当に保育者冥利につきるな」と思われるそうです。
「この仕事を選んでよかったな。子どもたちの成長を見ながら、保護者もともに成長して、私自身も成長していって、本当に今いい仕事できてるなって思いますね。」
子どもとの信頼関係はもちろんのこと、保護者が寄せる信頼感はどこから生まれてくるのでしょうか。次回は、新任1年目でも、人の心をとらえるS先生の魅力に迫ってみましょう。
担当は森岡でした。