―セミさんにお届けー 4歳男児
19.09.24
8月の末、セミの鳴き声が響き渡っていました。
私は、庭の草を抜き、それを、汗を流しながら集めていました。
そこに、「お手伝いする!」と、4歳の男の子が来ました。
草を集めているうちに、男の子は、落ちていたセミの羽根を見つけ、
拾いました。
ーここから、小さな物語が始まりますー
男の子:「あ、セミの羽根だ!」(目がキラキラ)
私:「あら、ほんと」
男の子:「セミさんに届けなくちゃ」
私:「・・・・・」「どうやって届けるの?」
男の子:「せみさーん、せみさーんて呼ぶんだよ」
そう言うと、「せみさーん、せみさーん」と
空を見上げるようにして大きな声で呼びました。
私:「聞こえるといいねえ」
男の子:「うん、セミさんに、のりで付けてあげるんだ」
「せみさーん、せみさーん」
大人は、落ちていたセミの羽根に、命の終わり、はかなさを感じますが、
子どもは、そうではなく、『大切な羽根』『落とし物』と感じたのでしょう。
羽根を落としたセミが、困っているかもしれないと思ったかどうかは
わかりませんが、セミの落とし物であり、それを届けて、
体にくっつけてあげたいたいと思ったことはわかります。
このような子どもの表現に、大人はどう応答したらよいのか、
迷うことがありますが、子どもが思ったままに、
自由に表現することを大事にしたいと思います。
小さな子どもの小さな物語でした。
担当は塚本でした。