心理・福祉学部 社会福祉学科 │ 聖徳大学

介護・かいご・カイゴ③利用者の思い

23.10.14

こんにちは
急に涼しくなり、「え、寒くなっちゃうの?」とあの暑かった夏を惜しむ自分がおかしく思う今日この頃。
介護福祉コース教員の池田です。

今日は、介護福祉の実践者として働いていた頃の話をしたいと思います。

わたしは、特別養護老人ホームにて8年間、介護福祉士として従事していました。
「介護過程」は学生の時に学び、実習で実践し(指導者は、小櫃先生でした)、
利用者の思いを実現すること(=QOLを高める)が最も重要と叩き込まれてきました。
従事していた時も介護福祉士が最も大切にする仕事だと思っていましたし、
現在も、介護福祉士の一番コアになる部分だと思っています。

当時施設に入所していた高齢者は、あまり自分の事(要望)をいう方はいませんでした。
「かみの言うことに文句を言ってはいけない」と言って、現状を受け入れる。という雰囲気さえありました。
ですから、「どうしてほしい?」と伺っても、「今のままで十分」とか「なにもないよ」といったりする人がほとんどでした。

また、ものを言うことが認知症によって言えなくなっている方も多くいました。

仕事をしていくなかで「利用者の思いを実現させるとは?」が、介護者主観の援助計画にならざるを得ない状況でした。
しかしながら、そうならないために相手の生活歴を知ったり、病気は何かを調べたり、身体能力をみたりしながら「○○だから△△なんじゃないか」と仮説を立てて援助計画を立てていました。

当時の自分は「これで合っているのだろうか?」と揺れていました。
また、揺れてること自体がダメなのでは?と思い、それはそれで悩んだり…。
ゴールの見えない仕事だな~と思いながら援助をしていたものです。

大学に入職して、立場上著名な先生方とお会いする機会や介護に関する書物を読む機会があり、「揺れること自体が介護福祉なのかもな」と思うようになりました。

相手を想い続けること。

「これは嫌?」

「これはうれしい?」

相手の思い(反応)を受け止めながら考え続けることが介護福祉なのではないかなと。

若かりし現役介護福祉士の池田



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