学科長コラム③ーベトナム訪問と出会い
23.09.02
みなさん こんにちは。学科長の山田です。お元気でいらっしゃいますか。
この夏「聖徳大学日越産学連携高度介護人材養成プログラム」留学生募集の一環で、ベトナムを訪問する機会がありました。ホーチミン市(ナムサイゴン短大とMOU締結)、ダナン市(フォンドン短大との面談、ダナン大学とMOU締結)、ハノイ市(ハノイ師範大学)の三都市を訪問しました。※MOUは、契約や条約、協定等が正式に結ばれる前の「基本合意契約書」や「了解覚書」を指します。
今回の行程でとても素敵な出会いがありました。18歳の女の子(?)との出会いについてご紹介したいと思います。全行程、通訳の方がつき、その通訳のハインさんのお嬢さん、アインちゃんです。アインちゃんとは旅程の最後の日(自由時間)にお会いしました。
はじめはとても「ひと見知り」でシャイでしたが、打ち解けてくると、ベトナムの高校生活、大学受験事情、大学受験制度についていろいろお話をしてくれました。今現在、高校卒業試験も終わり、大学の合格発表を待っているところでした。経営学に進むそうです。驚いたのは彼女の日本語能力です。とてもスムーズで違和感がありません。そして、今どきの若者言葉なのです。母親のハインさんは丁寧語を使わないと顔をしかめていましたが。
日本語獲得の背景は、4歳~10歳までの6年間の日本での生活でした。4歳の時母親の日本留学に伴い大分で日本の保育園に入園。その後、釧路の小学校で4年生まで過ごしました。一番、最初に覚えた日本語は「あそぼー!」。自分からお友達に話しかけたそうです。彼女の日本語で大変驚いたのは次のような表現です。ハノイの街は、天秤棒を担いだ物売りの風景が特色です。
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それを見ながら「こうした風景は見ているだけでは景観に過ぎないけど、ものを買ったり食べたり体験することで生活の一部となる」と語ったのです。驚きました! そのレベルの高さ、そして知識、表現はどのように培われたのでしょうか。本を読むことが大好きで、日本の小学校では図書室の本をたくさん読んでいたそうです。楽しかったと当時を振り返っていました。そして「釧路に帰りたい」と。ベトナム帰国後から現在までの8年間、YOUTUBE等で学び日本語力を自分で維持しているそうです。
アインちゃんとの出会いから、母語に近い第二言語の適切な習得時期について考えさせられました。これからの彼女の成長がとても楽しみで、近いうちに再会できることを期待しているところです。
おかげさまで、「聖徳大学日越産学連携高度介護人材養成プログラム」留学生募集も成果がありました。