タンパク質量を測ってみました!
18.07.05
生化学実験では、生物の体を構成するタンパク質について実験しています。
タンパク質の量は、目で見ただけではどの程度含まれているのかわかりません。
タンパク質を含む溶液にCBBという色素を加えると、色素とタンパク質が結合して、青く変化します。タンパク質量が多くなるほど、試験管が青くなります。今回は、この方法を使って、タンパク質量を測定します。
どの程度青く発色したか、目で見てもある程度はわかるのですが、実験ではどの程度青くなったか正確に知るために、分光光度計という機械を使って測定します。
最初に、基準となるタンパク質量の溶液(標準タンパク質)と、測定したい未知の試料に色素を加えて青く発色させます。
標準タンパク質の溶液を使って「溶液がこのぐらい青いときは、タンパク質が何μg含まれている」という基準を作ります。
タンパク質量が一番多い100μgの試験管は、鮮やかな青色ですね。
では、未知の試料は…?標準タンパク質の液の色と見比べてみると、40~60μgに近い色に見えますが、はっきりとはわかりませんね。
これらの溶液を分光光度計で測定して、グラフを作成してみると…?
このようになりました。
グラフ中の白丸は標準タンパク質の値、緑の線が未知の試料の値です。
タンパク質量が多いほど、縦軸の「吸光度(どの程度青く発色しているかを数値化したもの)」が比例して高くなっています。タンパク質が多いほど青く発色することが確認できました。
未知の試料にはどの程度タンパク質が含まれているでしょうか。
未知の試料の吸光度は、0.370でした。これぐらい青く発色したときのタンパク質濃度は…?
直線のグラフをたどってみると、標準タンパク質40μgと60μgの間、55μgということがわかりました!
このように、試薬と機械とグラフを使えば、未知のサンプルのタンパク質量を測定することができます。
難しいように見えて、実はシンプルな実験なのです。
(生理・生化学研究室)