人間栄養学部・人間栄養学科 │ 聖徳大学

花粉症と食物アレルギー

18.02.09


雪の多い今年の冬ですが、1月半ばには日本気象協会が「2018年 春の花粉飛散予測」を出しました。前年が少なかったため、今年は前シーズンの1.5〜2倍程度(例年並み)飛散することが予測されています。花粉症をお持ちの方達には大変なシーズンを迎えますが、管理栄養士にとっては同時にもう一つ気をつけなくてはならないものがあります。「口腔アレルギー症候群(OAS)」です。

現在日本国民の3人に1人がなんらかの花粉症を有し、その花粉症患者の10人に1人は果物や野菜などに対してもアレルギーを示すと言われています。

口腔アレルギー症候群は、「花粉・食物アレルギー症候群」ともいい、食物アレルギーの特殊型として分類されます。特定の果物や野菜を食べたときに口の中が痒い、イガイガする、しびれた感じになるなどの違和感を訴え、症例によっては口腔粘膜のみならず、目の痒み、眼瞼・眼球結膜の充血、鼻の痒み、鼻水、くしゃみなどの症状が出ることもあります。また、まれに呼吸困難や腹痛など全身症状を伴うアナフィラキシーを発症することもありますので、たかが食物アレルギーと侮れません。

また、口腔アレルギー症候群は花粉症を持っていない人でも起こり、じんましんや喘息、アトピー性皮膚炎などの即時型アレルギー反応を示す人に合併することがあります。ゴム製品にアレルギーをもつ人がアボカド、クリ、バナナ、キウイなどに即時型反応を示すことがあり、「ラテックス・フルーツ症候群」として区別されます。

これらの反応は果物や野菜に含まれるアレルゲン物質が、花粉のもつアレルゲン物質と構造が類似しているために起こる現象で、複数の果物や野菜に反応してしまうことも稀ではありません。また、体調の変化やストレスなどによって自律神経のバランスが崩れているときにも反応が起こりやすいといわれています。

      

この先飛散する花粉と、関連しやすい食べ物の一覧をお示ししますので、違和感を感じたり心当たりがある方は一度医師の診察を受けてみることをお勧めします。

(医科栄養学研究室)

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