短期大学部 保育科

ママの靴で行きたい!

19.11.08

ママの靴で行きたい!

3歳の「ゆうくん」の朝のお話です。

「さあ、幼稚園に行くよ」「お靴履こうか」とパパ。

いつもはちゃんと自分で靴を履くのに、今日は履きません。

ママが心配して、「どうしたの?」と声をかけました。

近づいてみると、ゆうくんは、何か言いいながら泣いています。

一体、どうしたのでしょう。ゆうくんの言葉に耳を傾けてみましょう。

「ママの靴で行きたいの!」

「ママの靴で行きたいの!」

こんな時、たいていの大人は困ってしまいます。何とか、自分の靴を履かせなくてはなりません。だって、ママの大きな靴はゆうくんにはぶかぶかで、その靴を履いて歩いたら転んでしまうかもしれません。

 

パパは、ゆうくんにこう言いました。

「そうか。ママの靴はキラキラがついていてきれいだもんね」

ゆうくんの顔が途端に輝きます。

「じゃぁ、エレベーターまでママの靴で行こうか。そのあとゆうくんの靴に履き替えようよ」とパパ。

ゆうくんは「うん!やったー!」と大喜び。

ゆうくんは、エレベーターホールまで、カパッ!カパッ!とママのキラキラの靴を引きずりながら嬉しそうに歩いて行きました。ママは、ユウくんの靴を手に、そっと後からついて行きます。ゆうくんは、エレベーターの前に着くと「ひとりで履くよ!」と自分の靴に履き替え、笑顔いっぱい、満足気な顔でエレベーターに乗り込んでいきました。

ママは、そんなゆうくんを笑顔で見守りました。素敵なパパとママ!

 

3歳、自我が芽生えてきた子どもは、自分以外のことに目が向いて、やりたいことがたくさん出てきます。時にそれは、大人からするとやってほしくないこともあります。大人は子どもの安全を考え、守ろうとするからです。

でも、そんな時でも、子どもの気持ちをしっかりと受け止めて関わると、子どもは安心して、自分で自分の行動を変えていくことができるのです。すごいぞ、ゆうくん。

ゆうくんは、パパとママに自分の気持ちを分かってもらえた喜びを味わい、満たされた思いで幼稚園に向かったことでしょう。

塚本美知子

事例提供 金城久美子先生

 

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