教育学部・児童学科 │ 聖徳大学

遊びは学び ーお正月遊び、かるたを通して学ぶサステナビリティー

25.12.02

 ©︎BANDAI 「くまのがっこう サステナビリティかるた」  写真提供 (株)キャラ研

みなさん、こんにちは!

年の瀬も近くなり、皆様におかれましては、新しい年を迎える準備をされていることと思います。保育の現場においても、3学期のはじめにお正月遊びを保育に取り入れようと、準備がなされています。凧あげやコマまわし、はねつき、すごろくなど、日本のお正月には、古くから伝わる楽しい遊びがたくさん楽しまれています。

今回は、児童学の研究分野である「幼児教育」から、多くの幼児が好んでいる、お正月遊びのかるたについて取り上げます。幼児は遊びながら学びますが、この遊びを通しても、楽しみながら多くを学びます。

 

かるたは平安時代に貴族のあいだで行われた「貝覆い」と呼ばれるものが由来であるという説や、16世紀頃に来日したポルトガルの宣教師によって伝えられたという説があります。老若男女問わず楽しむことができ、多くの人が集まるお正月にうってつけの遊びであり、江戸時代に庶民の間に広まりました。遊びの中でコミュニケーション能力が育まれたり、文字や数への興味が高まったりします。また、かるたに用いられる五七調のリズムは、記憶にもよく残るといわれています。そのため、これまでに教材としても様々な内容のものが作成されてきました。

 

©︎BANDAI 「くまのがっこう サステナビリティかるた」  写真提供 (株)キャラ研

昨年度、筆者は「くまのがっこう サステナビリティかるた」(発売元:(株)キャラ研)を監修させていただきました。サステナビリティ(sustainability)とは、「sustain(持続する)」と「able(〜できる)」が組み合わされた言葉です。ユネスコは、持続可能な開発を実現するために3つの観点、「環境の保全」、「経済開発」、「社会開発」を示しています。そして「環境の保全」を主軸としながら、「経済開発」、「社会開発」を総合的に推進すること、この3本柱は相互依存的で双方向的に強化し合って進められるホリスティックとして機能することが求められると述べています。このことを考慮し、幼児には、土台となる環境、社会に関する内容を多く含んだかるたを楽しんでほしいとして、臨みました。最後には保育現場で子どもの保育に当たっている教職研究科の院生に、子どもにとって難しい点などはないかを確認してもらい、完成しました。

 

キャラクター、ジャッキーのかわいらしい表情の絵札の効果は絶大で、全国の幼児たちに愛されています。2026年のお正月にも多くの幼児が遊んでくれたらと願っています。

児童学科では幼児の遊びや、教材について多くを学ぶことができます。

                                   (児童学科 教授 桐川敦子)

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