塩分濃度(その1)
18.08.23
管理栄養士も栄養士も調理師も、食に関わるすべての人がわかっていなければならないものに「調味」があります。つまり「味付け」です。味付けにはさまざまな化学物質(調味料)が使われますが、なかでも「塩味」は味の決め手といわれるほどです。
また、塩分はヒトを始めとしてさまざまな動植物の生命活動に必要ですし、その濃度の変化は大きな影響を与えます。
塩分濃度は、「その物質や溶液100g中に溶けている食塩の重量」に%(重量パーセント)をつけて表記したものです。3gの食塩が150gの溶液に溶けていたら、3÷150=0.02 つまり塩分濃度は2%です。以下の表は、このようにして測定された食品などの塩分濃度です。塩分濃度の目安を知っておくと、いろいろなところで役に立ちますよ。
梅干し 22%
醤油(薄口) 16%
醤油(濃口) 14.5%
減塩醤油 9%以下
味噌 11〜13%
みそ汁、すまし汁、コンソメスープ 0.6〜0.9%
漬け物(ぬか漬け) 3〜6%
漬け物(一夜漬け) 1〜2%
明太子 5.5%
アジの干物 2%
海水 3.5%
人体の体液 0.9%
飽和食塩水 26.5%
(食塩は温度によって溶解度がほとんど変化しない、という特徴もあります)
それではここで、クイズです。
水1Lに、食塩1gと砂糖1gを溶かしました。
塩味、甘い味、どちらが勝っているでしょう。
調味%の計算上は、どちらも0.1%ですので…、結果はどちらともつかない中途半端な味とかんがえますか?
味は、舌の表面にある小さなボコボコ、舌乳頭にある「味蕾」の細胞が感知します。この細胞に受容体があり、それをたくさん刺激した方が味を強く感じます。
「たくさん刺激する」=「たくさんの分子・イオンがある」ということです。
塩と砂糖、同じ重量で比べたとき、たくさんの分子・イオンになるのはどちらでしょう。重量ではなく、なにを考えたらいいでしょう。
解説は次回をお楽しみに♪ →(その2 解説編)
(医科栄養学研究室)