人間栄養学部 人間栄養学科

卒業生から:衝撃的な経験!特別養護老人ホームの実習で学んだ、管理栄養士の役割と意義

18.05.21

大学在学中、行政やいくつかの施設様で実習をさせて頂いた中で『管理栄養士としての役割・存在意義』を一番感じ、そして、今でも管理栄養士として仕事をする上で、最も大切にしている事を学び得た場所があります。その場所とは、特別養護老人ホーム(以後、”特養”と表記)でした。
ある日、特養の管理栄養士さんと利用者様のところへ伺った際、管理栄養士さんが次のような話をしてくださいました。「このかた、今しっかりと椅子に座って、且つ、自分で食べているでしょ。顔の表情もしっかりあって、筋肉もついているし肌ツヤも良い。でもね、実は以前、寝たきりで”管(※胃ろう)”から栄養を摂取していたのよ。その時は筋肉がついても細く、皮膚は妙に軟らかく、表情も乏しくてね…『生かされている』という感じだった。そこから、自力で食べられるようになるためのリハビリをおこなったの。そしたらね、どんどん元気になっていって表情は明るく血色も良くなって、自分の意思で手を動かし、誰の介助も無しで食べられるようになった!『”口”から”自力”で食べられる』って重要よね。そう思わない?」
このエピソードから『心身ともに健康であるために、栄養は、ただ単に必要量を摂取すれば良いというものではない。どのような”形”で食事をしたのかが、最も重要なのである。』それを目の当たりにした瞬間で、当時まだ大学生だった私にとっては、衝撃とも言える話でした。(この時の管理栄養士さんが本学の卒業生だったことをこの記事を書いて初めて知りました!!)
社会における管理栄養士の役割とは、「”栄養素”という物質ではなく、ちゃんとした形ある“食物”を美味しい食事にして、より多くの人が生涯にわたり口から食べられるように最大限のサポートをする事である」と私は考えます。何故なら、それが『人の生きようとする力』になるからです。
これが聖徳大学在学中に実習で経験し、今でも私が仕事をする上で一番大切にしている事であり、管理栄養士という職業の存在意義であると考えております。
※胃ろう…様々な事情で「口から食べる事が難しい」と医師が判断した場合、内視鏡を使ってお腹に小さな口を造る手術をおこない、胃に直接栄養を入れる。栄養補給法の1つ。

※写真の掲載については、事前に本人の承諾を得ております。

【経 歴】EIZEN副代表 高野 翠
1983年生まれ。管理栄養士(平成18年卒2回生)。総合病院 直属の管理栄養士としてチーム医療に携わり入院中の栄養管理や、入院・外来・在宅の栄養相談などをおこなった経験から「日常生活に“美味しい‼”と感じられる健康的な食事が必要』と実感したため独立・起業する。現在、松戸市に厨房施設と流山市に店舗『管理栄養士のビストロEIZEN』を構え経営。新聞やテレビなどの各種メディアにも取り上げられている。

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