人間栄養学部・人間栄養学科 │ 聖徳大学

疲れには鉄分補給を:公衆衛生学研究室の研究から

18.02.16

公衆衛生学研究室の横井ゼミでは、微量栄養素の補充による病気の予防について研究しています。鉄欠乏症は、女性に特に多い病気です。鉄欠乏性貧血は疲労や動悸、息切れを起こします。鉄欠乏性貧血の一歩手前である「貧血のない鉄欠乏」でも疲労を招くのではないかと考えられますが、個々の研究の結果は一定ではなく決め手に欠けていました。
ここでビッグデータの登場です。世界の医学論文は既に2800万編以上あります。この中から関係のある論文を漏れなく選び出し、論文自体をデータとして統計解析を加えました。その結果、貧血のない鉄欠乏の人が訴えている疲労は、鉄剤や鉄サプリメントで軽快することが明らかになり、イギリス栄養学会の学術雑誌に掲載されました。

この論文は、国際的なNPOが運営する一般向けの健康医学情報サイトMedical News Bulletinで紹介されています。わかりやすい英語で書かれているので、一度チャレンジされてみてはいかがでしょうか?このサイトは専門家の評価を受けた健康情報が盛りだくさんです。
本研究室で行ったような論文自体をデータとする研究方法をメタアナリシスmeta-analysisといいます。メタアナリシスは管理栄養士国家試験ガイドラインの項目で、公衆衛生学研究室で担当している管理栄養士必修科目「社会・環境と健康」で学びます。メタアナリシスのような研究を疫学といいますが、聖徳大学では栄養に関する疫学の研究をしている教員から直接学べます。この写真はその授業風景です。

疲れやすい人は、一度、鉄分に気をつけて食生活を見直してはいかがでしょうか?

(公衆衛生学研究室)

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