人間栄養学部・人間栄養学科 │ 聖徳大学

2024 農芸化学会に参加して

24.04.23

生化学研究室 学部4年

 安岡教授、修士1年の学生とともに農芸化学会に参加しました。結論として、私の農芸化学会へのイメージ一新する経験でした。学会を知る前は農芸化学に対して農業や植物の色が強いイメージを持っていました。しかし、この学会はヒトや植物や微生物の代謝、それらに関わる酵素、食品、研究者を支える技術開発など幅広い分野を網羅していました。この学会は食の生産や食事による身体の反応などについて研究しており、人の健康や生活に身近であると思いました。化学的な視点から栄養の供給源である植物について知り、ヒト体内で働くメカニズムを知ること、ヒトは他生物から栄養を得なければ生きていけないこと、これらの分野は必要不可欠な研究だと思いました。新たな栄養感知のメカニズム、発酵食品、機能性ペプチドなどについての発表を聞くことにより、この分野でどのような研究が進められ、何のために研究をしているのかについて、その片鱗を覗くことができました。私は大学院への進学を希望しています。農芸化学の研究を知り、自身の興味のある分野に深く関係していると思いました。

生化学研究室 修士1年

 11月に分子生物学会に参加したのですが、農芸化学会では、特に手法について学びたいと考えていました。3日間の中で印象に残った手法は、味覚を客観的に調べるために実施していた細胞実験です。通常の味覚研究は官能検査を使った主観的研究です。最近では人間の味覚受容体を模して作られた味覚センサーを使った客観的な研究もされています。しかし実際の人間の味覚受容体ではないため、正確な情報とはなりません。ですが、今回の報告されていた、細胞実験では、実際のヒト味覚受容体を細胞に発現させ、味成分を加えたときの細胞の興奮度を蛍光色素で可視化することで、客観的な分析を実現していました。この手法は、官能検査や味覚センサーとは異なり、味成分が起こす味覚を分子レベルで調べられるため、とても画期的な手法であると感じました。また細胞実験は、使う細胞や使う分子の組み合わせが豊富なため、研究者の考え方やアイデア次第で、実験の意義のレベルが変わることに気づきました。

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