臨床栄養学実習Ⅰ(3年生)【2】
23.07.27
治療用特殊食品を使った腎臓病食の調理実習(2)
~粉あめを使った高エネルギーのデザート編~
■慢性腎臓病とは
慢性腎臓病(CKD)とは、「腎臓の障害」もしくは「腎機能低下」が3か月以上持続している状態の総称です✏️食事からたんぱく質を摂りすぎると腎臓に負担をかけるため、腎機能が低下した場合、たんぱく質の制限が医師から指示されることがあります✍🏻
■慢性腎臓病の食事療法
たんぱく質を食事から摂取した場合、1gあたり4kcalのエネルギーを体内で産生します🏃♂️つまり、たんぱく質の摂取量を減らすと、その分、エネルギー摂取量が少なくなってしまうのです⤵️体が必要とするエネルギーが十分に摂取できなければ、脂肪だけでなく筋肉を分解してエネルギーを補おうとします。そうすると、体が瘦せてきて、栄養不良の状態となります🧐
■エネルギー補給のための「粉あめ」
そこで、活用したいのが、エネルギー補給のための「粉あめ」です✨甘みを、砂糖の8の1に調整してあるのは、たくさん使用しても甘くなりすぎないようにするためです🧑🍳3年生が受講する臨床栄養学実習Ⅰの調理実習では、「粉あめ」を使った「くずもち」と「梅酒かん」を調理しました!レシピは、『腎臓病食品交換表 第9版 治療食の基準、黒川清、中尾俊之、小沢尚、酒井謙 編、2016、医歯薬出版株式会社』を参照しました。
■いざ、調理!
●くずもち
くず粉、水、砂糖、粉あめを合わせて溶かし火にかけて、ねっとりとするまで練ります!
別の鍋で、黒砂糖、粉あめ、水を合わせて煮詰め、黒蜜を作ります😊
●梅酒かん
水に寒天を入れて火にかけて煮立ったら、砂糖、粉あめ、水あめを入れて溶かします。粗熱をとったあと、梅酒(今回はノンアルコールを使用)とレモン汁を加えて、冷やし固めます✨
■試食!いただきます🙏
ひんやりデザートができあがりました☺️
●くずもち
1人分で232kcalの高エネルギーを摂取できますが、甘すぎずおいしくいただきました😊✨
●梅酒かん
透き通ったきれいな色に仕上がりました⭐️夏の食欲が低下する時期にはぴったりですね!
■治療食でもおいしく、続けられるように
管理栄養士は、病気により食事に配慮する必要のある患者様をサポートします。また、食品会社による治療用特殊食品の開発も患者様を支えていることがわかります。これからも、さらに患者様が続けやすい食事療法の発展が期待されます😊✨