【授業】正月料理
21.01.01
いろいろあった今年度の調理学実習Ⅱも最後の授業になりました。
今回は正月料理です。🎍✨
皆さんはどんな正月料理を知っていますか?
雑煮、黒豆、田作り、数の子、伊達巻き、昆布巻き、紅白かまぼこ、きんとん、紅白なます、煮物・・・などが代表的でしょうか。
最近は,お節料理セットを購入する人も増えてきましたが、いくつかは自分で調理してみるのも楽しいですよ。一つ一つの調理はそんなに難しくなく、おいしいし、食品添加物の心配も無いし、安くできますよ。✨
今回の実習では
✧ 雑煮を調理しました。
雑煮の由来は、その年の収穫を神様に感謝して産物を神に供え、正月に下ろして調理し、神様と共に食べる(直会…なおらいという)ことからです。
今回は、関東風雑煮で、鰹だしの澄まし仕立て、四角の焼き餅、具材は鶏肉・大根・にんじん・里芋・かまぼこ・小松菜で、最後にゆずを吸い口に置きました。
一口に雑煮と言っても、内容は地域・家庭によって様々です。
関東では餅は四角の焼き餅、関西は煮た丸餅を入れます。
調味法も、関東は澄まし仕立て、関西は白味噌仕立ての地域が多いようです。
関東出身と関西出身の新婚の男女が、初めての正月は雑煮で喧嘩になることもあるとか。
「これは雑煮じゃない!」VS 「これは雑煮です!」・・・。
中に入れる具材も異なります。地元の産物を使った地域の食文化の伝統が、現代も色濃く残っているのが雑煮です。
皆さんのお家では何を入れますか?ご家族の出身地が影響していますか?
✧日本には言霊信仰(ことだましんこう)といって、〘言葉が魂を持つ〙という昔からの思想があります。
例えば〘数字の4は縁起が悪い→死に通じる〙、というように。
ですから、正月には縁起の良い言葉に通ずる料理が選ばれ、新年の願いをこめます。
皆さんなら,新年に何を願いますか?
祝い肴3種 黒豆、田作り、数の子は、人々の願いを食物に託す代表的なものです
✧まず黒豆はなぜ縁起が良いのでしょう?
黒豆は黒くてしわがよっている。→屋外で真っ黒になって、しわが寄るまでまめまめしく働く→健康長寿
✧田作り(ごまめ)については?
田作りはカタクチイワシが材料です。カタクチイワシは小さい魚で、昔はたくさん採れたため、畑にまいて肥料にしていました。→畑が肥える→米の収穫増大(別名五万米 (ゴマメ)…米が五万俵も穫れる!)→五穀豊穣
✧数の子については?
数の子は魚の卵ですが、何の卵だと思いますか?
鰊(ニシン)の卵です。→二親(にしん)→赤ちゃん誕生→家の存続→子孫繁栄
✧上記の3種類の祝い肴の他に、口取りとしてきんとん、紅白かまぼこ
酢の物として、紅白なます、サケの和風マリネについて調理実習を行いました。
✧後半の時間を利用して、日本の正月文化の解説をしました。
注連(しめ)飾り、門松、屠蘇、祝い箸、重箱など、皆さんはこれらが持つ意味を知っていますか?
皆さんが来年度に入学したら、詳しくお教えしましょう。
楽しみに待っています☺️💓
(調理学研究室)