聖徳祭◆松戸学官連携推進事業 聖徳大“食”に関する講演会 パート2◆
18.12.26
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前回に続き、2日目の講演の内容をお伝えします!
◆災害から考える食の危機管理
~災害食を活用した食教育・防災教育~
聖徳祭2日目の“食”に関する講演会は、
新潟大学大学院 客員教授で、日本災害食学会 理事・副会長の別府 茂先生より、
『 災害から考える食の危機管理 ~災害食を活用した食教育・防災教育~ 』と題してお話を頂きました。
会場には、地域の方々、食の安全安心を考える市民の会の方、東日本大震災復興支援 松戸・東北交流プロジェクトの代表や関係の方々等、多くの方に参加していただき、関心の高さが伺えました。
私たちは、日常の便利で快適な生活に慣れてしまい、何不自由なく三度の食事をいただいています。
それが、もし途絶えたら...私たちの生活はどうなるでしょう。。。
食材の生産から、流通、保存、購入、調理、食事の場のすべてが問題なく確保されているから、それが当たり前になっているのです。しかし、この流れ(ネットワーク)のどこかに一つでも支障が出たらどうなるかを考えることから、講演は始まりました。
災害時に何が起こるかを認識していれば、何が必要で、何を準備しておかなければならないか、答えられるはずです。
皆さんは、いかがでしょう??
実際、人的被害の発生した地震は、直近で24年間に13回発生していること(2年に1回以上の頻度です)、その災害の種類や被害状況、その時に取った対策なども詳しく知ることができました。
まず、災害時の対応について、被災した者が自分でできること(自助)と、仲間と共に一緒にできること(共助)、救援・支援に頼ること(公助)に分けた考えを持つことが大切だという事に、ハッ?とさせられました。動けるものは、自分たちで、救援・救助・支援しなければいけないんだと‼
災害時の食事についても捉え方が変わってきているそうです。非常時に食べる備蓄性の高い食品という考えでは、いざという時に使えず、“災害時に役に立つ日常でも利用できる食品”を備えておくことが大切とわかりました。
もちろん、ローリング・ストック方式(定期的に消費・補充する方法)で!
実際、お湯さえ沸かせれば、カップ麺やアルファー米、インスタント・レトルト食品などが使えるわけなので、
Keyになるのは、熱源と水(飲料水だけでなく、生活用水も含まれる)の確保ですね!
また、新たな視点として、被災者の食事の確保だけでなく、救援する人の食事の確保も必要であること、
地震の発生時間帯によっても被災状況や救援・支援状況が変わること(休日・夜間早朝に自宅で被災する場合と、平常日勤務時間に被災し帰宅困難、家族の安否確認ができないなどの場合との違い)、
さらには、赤ちゃんからお年寄りまで、様々な方の生活を支えなければならないこと(ニーズが多岐にわたる)、
最後に、熱源について、電気自動車やハイブリッド車の利用例についても教えて頂きました。
まさに、「災害に備えるという事は、日ごろの生活を強靭化すること」なのだと学びました。
「災害は、備え た分だけ 憂いなし」といわれますが、「食育の一環として防災教育を考えてもいい」し、逆に「防災教育の一環として、日ごろの食生活を考えてもいい」のではないかと考えさせられました。
講演の最後に、国が進めている「スマートライフプロジェクト」の一環で、「食生活改善普及運動」のPRもあり、毎回の食事の際に、少し意識することで、健康面にも「備え」ありの食事になるのではとの思いを共有できたと思います。
(聖徳大学“食”に関する講演会担当)
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