文学部・文学科 │ 聖徳大学

H30年度 RE科目「恋の歌を読む」報告②

18.07.16

RE科目「恋の歌を読む―百人一首を中心に―」は、6月24日に、東京丸の内にある、出光美術館の「歌仙と古筆」展を見に行ってきました。

はじめに出光美術館の学芸員の方にご挨拶いただき、その後は各自で、3つの展示室に並べられた貴重な作品をじっくり鑑賞してきました。
「歌仙」とは、和歌の達人、レジェンドのこと。
平安時代に選ばれた三十六人のすぐれた歌人を「三十六歌仙」といい、和歌と似絵のセットで広く享受されました。

三十六歌仙の中でも、ある男性の夢に出てきた姿を、絵師に描かせたものがもとになっているのが、柿本人麻呂。
現在残る書物によると、夢に出てきた人麻呂は、「かなり高齢」「柔らかい烏帽子」「右手に筆」「左手に紙」という特徴があったとか。
さて、授業で聞いて想像していた人麻呂と、展示されている絵の人麻呂は、イメージが一致していたでしょうか?

国宝の古筆手鑑(こひつてかがみ)「見努世友(みぬよのとも)」も貴重な作品です。
古筆手鑑とは、先人たちの残した筆跡を、一つのアルバムにまとめたもので、当時の古筆の鑑定に使われていました。

「見努世友」、すなわち「見ぬ世の友」というタイトルは、『徒然草』第十三段をもとにしています。
「ひとり燈火のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするこそ、こよなう慰むわざなれ」つまり、出会ったことのない過去の人であっても、残された作品を読めば、友人になれる、親しくなれる。
そういう意味がこめられているのです。

私たちが美術館で作品と触れるのも同じですね。
残された本物に触れることで、私たちは、出会ったことのない過去の人と、友だちのように親しくなれるのです。

次回の報告もお楽しみに!

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