短期大学部・総合文化学科 │ 聖徳大学

碁石雅利教授・山下伸夫教授 定年記念講義

25.01.22

 2025年1月10日(金)に碁石雅利教授と山下伸夫教授の定年記念講義が開催されました。
当日は総合文化学科の1、2年生、教職員のほか、他学部の教職員の参加もあり、広い教室がいっぱいになりました。

 

 はじめに山﨑正也学科長からご挨拶があり、碁石先生、山下先生が長きに渡り総合文化学科の発展に尽力なさったこと、授業が楽しく、どんな質問にも親切に答えてくださることから、学生から人気の先生方であったことなどが紹介されました。

 碁石先生の講義は「江戸の奇人・変人」という題目で、江戸中期の文人画家・書家として高名な池大雅をはじめ様々な人物を取り上げ、その奇人エピソードを紹介してくださいました。その口調は軽妙で内容は面白おかしく、会場が笑いに包まれるシーンが何度もありました。

 たとえば、四世に渡る高名な医家の有馬凉及の桜のお話がありました。凉及が巨木の桜を気に入り、借金をしてまで買って家に運ばせ、庭に横たえたまではよかったのですが、植えられる地面がなかったとのこと。凉及は、寝ながら眺めるからそのままでよいと言い、家の中で横たわって桜を眺める姿が挿絵になっていました。ところが碁石先生曰く、「どこか、奇妙ではありませんか。横にするだけの余地があるのなら、なぜ縦に植える余裕がないのでしょう」。まさしくその通りで可笑しさがこみ上げました。江戸の人々のおおらかさが感じられ、江戸という時代に興味が湧きました。碁石先生のお人柄がよく伝わる楽しい講義となりました。

 山下先生の講義は「(仮題)言葉作り」という題目で、先生のご経歴、情報処理技術やプログラミングとの関わり、プログラム(言葉)を作ることの魅力についてお話しくださいました。山下先生は、大学では建築学を学び、はじめは設計事務所に勤務しておられましたが、その後、大学院で情報処理を学び、IT企業等を経て本学に着任されました。必ずしも一直線ではなく、さまざまな経験を経て、多様な人との出会いがあったことが、現在の仕事に繋がっているそうです。

 プログラミングは理系と思われているけれど、実は言葉を使うので文系とのこと。言葉は物の名前になるほか、組み合わせたり抽象化したりする手段にもなります。合成物に名前を付けて単一のものとして扱うこともでき、これらの考え方がプログラミングに生かされているそうです。最後に“重要な補足”として、役に立つから学ぶのではなく、楽しいから学ぶことの大切さについてお話がありました。「求められているのは、学ぶ楽しさを知っていること」という言葉が印象的で、心に深く残りました。

 講義終了後、川並弘純学長先生からお預かりした花束をお渡しして、名残惜しい中、閉会となりました。


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