人間栄養学部 人間栄養学科

研究領域

食物栄養学領域 (主任:佐々木弘子)

食物栄養学領域における学び・教えは、食品の分類および成分を理解し、人体や健康への影響に関する基礎的知識、次いで食品の生産から加工、流通、貯蔵、調理を経て人に摂取されるまでの過程における安全性の確保、栄養や嗜好性の変化を理解することです。
研究内容として、食品科学研究室では食品の機能性成分、呈味成分などの分析を中心とする研究を行っており、最近はシイタケの種菌の違いによる呈味成分含量への影響や家庭で作る乾燥野菜の成分変化などを研究しています。食品加工学研究室では国の機関との共同研究に参画し、米粉パン、ごはんパンの試作とその官能評価や、さつまいも育種に関連する食味調査などを継続的に研究しています。食品衛生学研究室では野生の酵母を利用した新しい食品の開発や、漬物由来乳酸菌のプロバイオテイクス効果について研究しています。
現在は食品・食材の種類、調理法の増加、食嗜好などが大きく変化しており、また分析機器の進歩により分析値の見直しなどがあります。食品とその成分さらには健康との関わりが重要なことであり、管理栄養士にとって基礎となる領域です。


給食・調理科学領域 (主任:今井悦子)

人は生命を維持し、健康を維持増進するために、食べ物を食べなければなりません。この「食品を調理して食べ物を調製し、人々に提供すること」を主な研究対象としているのが、給食・調理科学領域です。
給食とは、学校や病院などの施設を利用する特定多数の対象者に、継続的に提供する食事を指し、そこでは対象者の健康・栄養状態を良好にすることを目的に栄養管理された食事を提供します。家庭レベルの少人数の調理とは異なる、大量調理のための献立作成、調理理論、調理技術、衛生管理、食材管理、経営管理などがあり、給食領域では、それらを教育・研究対象としています。
調理科学は、狭義には、食品が食べ物になる過程(=調理)で起こる様々な化学的・物理的変化を、自然科学の手法を使って客観的に明らかにする学問で、勿論、給食における調理理論の基礎ともなっています。調理科学領域は、広義には食べることに関わる人々の食生活全般、食文化なども含まれ、これら全般を教育・研究対象としています。


実践栄養学領域 (主任:上田伸男)

実践栄養学領域は公衆栄養学研究と栄養教育学研究から構成されています。
国から認められた資格である管理栄養士及び教員免許(栄養及び家庭科)の実践の場において、相手に如何に伝え、理解していただき、なおかつ実行してもらうかにつき教育、研究を行っています。
栄養学は基礎的な生理学、生化学及び解剖学などの知識のもと、食の専門家として、単なる知識の伝達だけでなく、実際に実践してもらうことが大切です。特に昨今では、非感染症疾患(日本では生活習慣病と言われます)の良し悪しが病気および死因に大きく関係しています。中でも適切な食習慣が重要です。
公衆栄養学研究では、わが国や諸外国の健康・栄養問題と課題、主要な栄養政策への理解を深めると共に、公衆栄養活動を展開する為に必要な教育・研究活動を行っています。法律、政策や各種調査結果を通して改善を支援しています。
栄養教育学研究では、ライフステージに応じた情報提供や行動変容を起こすための心理学的な知識をも含めた手法により、自らが実践するための方法につき支援しています。
また、選択科目として、教員免許取得に向けた各種教育(中・高教育実習等)や、栄養教育現場における調査研究活動も行っています。


臨床栄養学領域 (主任:池本真二)

臨床栄養学領域は、栄養アセスメント(評価)からはじまる栄養ケア・マネジメント(栄養管理)を主な研究教育対象とし、応用栄養学研究室と臨床栄養学研究室から構成されています。応用栄養学研究室では、健康の維持増進、食育推進等を基本として、生まれてから亡くなるまでの全てのライフステージにおける健常な方の栄養ケア・マネジメントに加え、スポーツなどの特殊な環境下での栄養ケア・マネジメントを研究教育対象としています。一方で、臨床栄養学研究室では、傷病者に対する栄養ケア・マネジメントを研究教育対象としています。そのため、食事療法の実践を伴い、生活習慣病をはじめとする各種疾患ならびにその治療ガイドラインの理解が必要となります。どちらの分野も、健常者か、傷病者かという対象者の違いはありますが、栄養ケア・マネジメントの考え方・進め方、そしてその基本となる栄養アセスメントの概念は同じであり、特に、栄養ケア・マネジメントのスタートとなる栄養アセスメント、つまりは、食事の摂取状況の評価が大切であり、その基本的な考え方は、食事摂取基準の策定根拠と、その活用の理解と言えるでしょう。


分子栄養学領域 (主任:神野茂樹)

分子栄養学はこれまでの栄養学に分子生物学的手法を取り入れ、ゲノム情報にはじまる身体の構築維持と栄養素(食品成分)との関係性を明らかにし、健康増進に役立てることを目的とする新しい学問です。異常ともいえる高血圧や糖尿病の罹患率を考えてもわかるように、現代は慢性疾患である生活習慣病が増加し、より積極的な健康増進への介入が求められています。生活習慣病は個々の遺伝的背景の上に環境要因、生活習慣が複雑に重なり体内での調整機構が崩れ発症に至る病気です。急激な外部の変化に対し我々の身体が適応しきれていないわけで、これに対し分子栄養学の貢献が期待されます。
分子栄養学領域は生化学生理学研究室と基礎栄養学研究室に分かれています。細胞や組織のレベル、または個体レベルとその対象は異なりますが、どちらも我々の持つゲノム情報がいかにして細胞、組織を構築していくかを理解し、これに対し栄養素がどう関係しているかを理解することを目的としています。巷に氾濫する食品成分に対する不完全な情報が人々を惑わせる中、正しい知識に基づき科学的な考え方をすることのできる管理栄養士は将来ますます重要になると思われます。

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